2009/05/01

循環

090501


すべての命に生れ変った
すべての細胞の隙にいる
すべての体に成り換った
すべての細胞の隙にいる
 
すべての罪とすべての罰
すべての細胞の隙にいる
すべての悦とすべての痛
すべての細胞の隙にいる
 
欲しい想いなら隙にいる
すべての想いは隙にいる
欲しい想いなら隙にいる
すべての想いは隙にいる
 
 
 
洩れる歌に耳を澄ませて
洩れる歌は細く絡ませる
洩れる声に耳を澄ませて
洩れる声は密やかになる
 
洩れる音に耳を澄ませて
洩れる音は細く絡ませる
洩れる嘘に耳を澄ませて
洩れる嘘は密やかになる
 
欲しい想いなら隙にいる
すべての想いは隙にいる
欲しい想いなら隙にいる
すべての想いは隙にいる
 
欲しい想いなら隙にいる
すべての想いは隙にいる
欲しい想いなら隙にいる
すべての想いは隙にいる
 
 
 
欲しい想いなら隙にいる
すべての想いは隙にいる
欲しい想いなら隙にいる
すべての想いは隙にいる
 
 
 

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2009/04/19

090418


うなされていた夜
どこでと伸ばす手
答えのない後ろ髪
霧に霞んで溶けた
激しく打つ動悸に
地面すら分らない
 
そして蜘蛛が来た
払おうとしない手
輪郭の見えない顔
すべてに隠れてた
もうそれは蜘蛛の
仔蜘蛛の塊だから
 
仔蜘蛛のカタマリ
 
 
 
底から目覚めた朝
自由な世界は嘘の
自由じゃない世界
みな何かに集られ
糸で巻かれている
清々しい朝は錯覚
 
そして蜘蛛が来た
払おうとしない手
見ようとしない眼
すべてに隠れてる
隙間という隙間に
仔蜘蛛の塊だから
 
仔蜘蛛のカタマリ
 
 
 
拒否しないのなら
必ず吸いに来る蟲
拒否しないとほら
夜中に入り込む蟲
拒否しないとほら
どこ迄追って来る
 
 
 
そして蜘蛛が来た
払おうとしない手
聞こうとしない耳
すべてに隠れてる
隙間という隙間に
仔蜘蛛の塊だから
 
仔蜘蛛のカタマリ
仔蜘蛛のカタマリ
仔蜘蛛のカタマリ
仔蜘蛛のカタマリ
 
 
 

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2009/03/30

暗闇

090330


真夏の島々
煌めいてた
お前の皮膚
注いでた光
すべて白へ
 
いまは一人
ただ一人で
書いている
お前のため
すべて白へ
 
何時までも
待っている
お前の皮膚
眩しい海で
すべては白
 
 
お前の皮膚
皮膚も髪も
すべてみな
還ったけど
 
分るだろう
愛しいまま
暗闇にいる
愛しいまま
愛しいまま
 
 
 
 
俺は泳いで
引いてる手
繋いでる手
その感触は
白昼の夢に
 
俺は潜って
採っている
綺麗な貝殻
色彩だけは
白昼の夢に
 
 
お前の皮膚
皮膚も髪も
すべてみな
還ったけど
 
分るだろう
愛しいまま
暗闇にいる
愛しいまま
すべて捧ぐ
 
 
 
 
正直に言う
 
煌めいてる
お前が好き
煌めいてる
お前が好き
煌めいてる
 
煌めいてる
お前が好き
煌めいてる
お前が好き
注いでる光
すべては白
 
いまはもう
 
 
 
 
真夏の島々
煌めいてる
お前の皮膚

お前すべて
 
 
 

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2009/03/28

090328_2


願いなら喪って
知っているのに
見たこともない
 
音も色も熱すら
何もない世界で
落下の向きさえ
 
オンナにある無
光と影の境い目
咥内で踊る肉厚
海風が煽る火炎
 
オトコなら終始
朝と夜の境い目
遠くで鳴る鍵盤
山水で遊ぶ子供
 
 
 
生々しい夢で見
皆連れ去られて
ひとりも居ない
 
音も色も熱すら
何もない世界で
落下の向きさえ
 
闇に包まれてる
気付けば黒い欲
閃光が迸っても
祈りと同じ妄想
 
腕に包まれてる
気付けば海の底
流れ星は魚の眼
何もない浮遊夢
 
 
 

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2009/03/16

交錯

090316_2


わたしは沈んで
広がっていたの
 
 
鉛の風を見た
混ざる鈍さが
鈍さが鈍さが
哀しくさせた
 
 
わたしは沈んで
広がっていたの
そしてそこら中
散らばった眼で
 
 
荒れ狂う音は
小屋の寝床の
塞いだ耳まで
悲しくさせた
 
 
わたしは沈んで
広がっていたの
そしてそこら中
散らばった眼で
陽を待ってたの
 
 
今まで識った
様ざまな世界
乾き続く咽は
無限の暗い欲
 
 
わたしは沈んで
広がっていたの
そしてそこら中
散らばった眼で
陽を待ってたの
 
 
鉛の風を見た
混ざる鈍さが
鈍さが鈍さが
哀しくさせた
 
 
 

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2009/03/01

欠落塊

090301


そう、まさに今
孵化するあなた
そう、まさに今
妄想を超える現
 
さあ、幕が開く
教えてご覧、今
どう感じるのか
それは暗いのか
それは冷たいか
深い青い底から
深い青い底から
 
 
 
そう、まさに今
超越するあなた
そう、まさに今
想像を超える現
 
さあ、幕が開く
教えてご覧、今
どう感じるのか
それは暗いのか
それは冷たいか
深い青い底から
深い青い底から
 
 
 
意識せず感じて
全ての限界なら
 
 
 
さあ、幕が開く
教えてご覧、今
どう感じるのか
それは暗いのか
それは冷たいか
深い青い底から
 
さあ、幕が開く
教えてご覧、今
どう感じるのか
それは暗いのか
それは冷たいか
深い青い底
深い青い底から
 
 
 

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2009/02/15

幸福

090215


○理由?
●その溜息の理由
○理由なんてない
●なら泣く理由も
○ない?
●全て信じないで
○理由なんてない
●なら沈む理由も
 
 
 
○空隙?
●閉じ込めた空隙
○何を閉じ込めた
●何か幸せなもの
○静寂?
●全て裁かないで
○空隙なんてない
●なら欲の空隙も
 
 
 
○理由?
●その溜息の理由
○空隙?
●閉じ込めた空隙
○静寂?
●裁きの後の静寂
○幸福?
●理由のない幸福
 
 
 
○理由?
●・・・・・・・
○空隙?
●・・・・・・・
○静寂?
●・・・・・・・
○幸福?
●・・・・・・・
○理由なんてない
●・・・・・・・
○もう何にもない
 
 
 
○理由?
○空隙?
○静寂?
○幸福?
○理由なんてない
○もう何にもない
 
 
 
○ない?
 
 
 

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2009/02/14

匿名者

090214


夜の街の影
影の中の影
様々な角度
色々な灰色
灯から灯へ
影の中の影
闇の匿名者
 
 
 
やって来る
去って行く
様々な確度
色々な配色
光から光へ
お前が誰か
誰も知らぬ
 
 
 
夜の街の影
影の中の影
様々な撹度
色々な廃色
何処にでも
影の中の影
闇の匿名者
 
 
 

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2009/01/27

海原

090127


椰子が騒ぐ風
海を掃く箒雨
 
あの日のよう
 
波はあなたを
惑わしたから
 
 
 
風に澄ませば
声が聴こえる
 
遠くの鳥でも
 
海はあなたに
魅せられたの
 
 
 
椰子が鎮まり
満天の星屑と
 
時を超えてく
 
海の向こうの
その向こうの
 
 
静かな夜の中
 
 
 

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2009/01/10

090110


崩れた空を見てた
光る細かな空隙が
当って流れ落ちる
 
 
自分だと気付いた
 
 
それは冷えて冷え
冷えて冷えて冷え
自分からも流れた
 
 
 
動くことない休息
丸い鈍色の散弾が
当って通り抜ける
 
 
自分だと気付いた
 
 
それは冷めて冷め
冷めて冷めて冷め
自分からも流れた
 
 
 
もし選べるのなら
何度も生まれ直す?
失い続けるものを
何度も奪い続ける?
 
彼は言う、それは
ただの妄想なのに
頭の中だけなのに
ただ妄想なのにと
 
 
 
 
限りなく整理して
途方なく洗浄して
そこで待ち続ける
 
 
自分だと気付いた
 
 
それは冷めに冷め
冷めに冷めに冷め
自分からも流れた
 
 
 
もし選べるのなら
何度も生まれ直す?
失い続けるものを
何度も奪い続ける?
 
彼は言う、それは
ただの妄想なのに
頭の中だけなのに
ただ妄想なのにと
 
 
そしてそれは流れ
そして冷えて冷え
それは冷めて冷め
自分からも流れる
無くなってしまう
 
 
何故なら、それは
ただの妄想だから
頭の中だけだから
ただの妄想だから
 
 
 

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2008/12/28

世界

081228_2


私の中の世界で
感覚が欠落する
何かが欠けてる
私の中の世界で
感覚が欠落する
 
この世界は在る?
 
私が怯える理由
 
 
 
私の中の世界で
時間が欠落する
何かが欠けてる
私の中の世界で
時間が欠落する
 
この世界は在る?
 
私が怯える理由
 
 
 
鏡の中の世界で
彷徨う夢でいる
何かが欠けてる
鏡の中の世界で
彷徨う夢でいる
 
あなたは居るの?
 
私が怯える理由
 
 
 
海の中の青空で
流れる幻でいる
何かが欠けてる
海の中の青空で
流れる幻でいる
 
私が怯える理由
 
これが私の世界
 
 
 

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2008/12/10

言青

081210


許してください
 
許してください
 
許してください
 
許してください
 
許してください
 
許してください
 
 
聴いてください
近づいて見ても
分からないほど
似ていたふたつ
 
知ったときから
伝わってた会話
それは罪でなく
無邪気と思った
 
許してください
 
今までにした悪
自分で許すしか
 
許してください
 
今までにした害
自分で許すしか
 
許してください
 
許してください
 
 
聴いてください
静かなだけの夜
そして害でなく
似ていたふたつ
 
知ったときから
ほんの少しの青
それは罪でなく
その気と思った
 
許してください
 
 
必要となるとき
そこにはいない
 
 
この世の果てで
請うたままの私
 
 
 

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2008/11/28

場所

081128


体に心が宿る場所
温度も湿度も光も
心へと滲みる場所
清らかに洗うなら
素直になれる場所
 
それらが一致する
それは素晴らしく
そして困難だから
そこを探し彷徨う
その果てにあるの
 
 
 
未来は判らないし
過去は忘れていく
砂と砂利と石灰を
捏ね繰り回す人々
その手はいつ洗う
 
それらが一致する
素晴らしい場所で
人々は洗い流せる
果てしない時間で
それらが一致する
 
 
それは素晴らしく
体に心が宿る場所
そして困難だから
心へと滲みる場所
 
 
それらが一致する
素晴らしい場所で
人々は洗い流せる
果てしない時間で
それらが一致する
 
それらが一致する
それらが一致する
それらが一致する
 
 
 

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2008/10/06

時空

081006


上手く説明できないけど
確か此処に来た気がする
如何してか解らないけど
確か此処に居た気がする
何時のことか忘れたけど
 
それは遠い遠い昔のお話
それは深い霧の先の世界
 
 
上手く伝えられないけど
確かにとても大切だった
何故か憶い出せないけど
確かにお互い大切だった
何れ程前か知れないけど
 
二人で雨に打たれた街角
見詰め合って到着した夜
 
 
もう時も場所も何もない
 
 
・・・・・・・・・・・
 
此処でまたみつけるまで
何時まででも探し続ける
この世界でもきっと必ず
如何しても必要なんだよ
 
・・・・・・・・・・・
 
 
まだ産まれていなくとも
ずっと待っていてあげる
もう死んでしまってても
すべての足跡をたどって
必ず追付いてみせるから
 
それは遠い遠い時のお話
それは深い海の底の世界
 
 
上手く伝えられないけど
確かにとても大切だった
何故か憶い出せないけど
確かにお互い大切だった
何れ程前か知れないけど
 
手を振って見送った店先
肌を溶かし合った次の朝
 
 
もう時も場所も何もない
 
 
 

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2008/10/05

青い花

081005


わたしは柔らかな雨
わたしは砂浜の上で
海鳥を舞いあげる風
あなたを包んでる光
 
 
わたしは密やかな霧
わたしは大空の上で
自由に遊んでいる雲
あなたを見ている光
 
 
でも淋しくなったら
憶い出してください
小さな花が震えた時
それがわたしの気配
 
 
 

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2008/09/24

収監

080924


時が押し流そうと来て
傷を癒そうとするから
逃げ込んで鍵を掛けた
誰も知らない心の闇に
 
そう私は罪人そう罪人
情けなんて無用なひと
ただの罪人ただの罪人
そう孤独に放り込まれ
赦されるなんて生温い
 
 
 
夜明けまで雨が打って
罪を流そうとするから
逃げ込んで鍵を掛けた
場所も解らない黒闇に
 
そう私は罪人そう罪人
容赦なんて無用なひと
ただの罪人ただの罪人
そう孤独に放り込まれ
塞がれるなんて生温い
 
 
 
もっと黒い液を静注し
心なら壁に塗り込めて
 
 
 
そう私は罪人そう罪人
祈りなんて無用なひと
ただの罪人ただの罪人
そう孤独に放り込まれ
殺されるなんて生温い
 
 
 

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2008/09/11

思う心

080911


思い
忘れようとして
強まってく甘さ
思い
 
 
思い
何度でも堕ちる
何度出逢っても
思い
 
 
思い
弾かれてく腰骨
肌を滑った指先
思い
 
 
思い
そうしなければ
感じられない罪
思い
 
 
思いは深くへと
そこで逢える所
この世界の果て
 
 
思い
思いは深くへと
この世界の果て
何度でも堕ちる
何度でも堕ちる
思い
 
 
思いは深くへと
そこで逢える所
この世界の果て
 
 
 

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2008/09/08

5648

080908


向うから来てる
向うから来てる
逃げても無駄だ
 
向うから視てる
向うから視てる
隠れても無駄だ
 
 
両手を拘束する
楡に縛りつけて
そして囁いてる
さえずるように
 
 
それは同じこと
崖から落ちても
死んでいる状態
眠りに落ちても
 
 
 
何かを宣告して
何かを宣告して
すべて放り投げ
 
何かを強奪して
何かを強奪して
それを投げ付け
 
 
それは同じこと
崖から落ちても
死んでいる状態
眠りに落ちても
 
 
 
唐突に目覚める
死んだ先の悪夢
逃げ帰ったのか
頸の周りの寝汗
 
 
 
向うから来てる
向うから来てる
逃げても無駄だ
 
向うから視てる
向うから視てる
隠れても無駄だ
 
 
 

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2008/08/30

空隙のすべて

080830


行き交う人びとの中に
ふと見た気がしたから
 
足早に離れた夜の駅前
忘れる方法を探してる
 
どこへ行ったらいいの
なにを祈ったらいいの
 
どこかで履き替えても
なにかで置き換えても
 
代えることはできない
かけがえのないあなた
 
この完全な欠落の空隙
それがわたしに残した
あなたが残したすべて
 
 
 
想い出なんていらない
傷み続けるためだけの
 
ますます強くなる輪郭
忘れる方法を探してる
 
どうか終って欲しいの
なにか閉って欲しいの
 
どうにか紛らわせても
なんとか欺いていても
 
変えることはできない
かけがえのないあなた
 
この完全な欠落の欠陥
それがわたしに残した
あなたが残したすべて
 
 
 
強くなってしまうから
どんな時も解決しない
ますます強くなる想い
 
 
 
どこへ行ったらいいの
なにを祈ったらいいの
 
どこかで履き替えても
なにかで置き換えても
 
他で変えられはしない
かけがえのないあなた
 
この完全な欠落の欠陥
それがわたしに残した
あなたが残したすべて
 
 
 

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2008/08/24

080824


おとな気なかった俺
思い遣らなかった俺
ただ一人のおまえに
 
後悔は遅過ぎるのに
大好きなこの海にも
二人では来られない
 
なぜ、どうして、と
問い続けている浜辺
答えたのは波音だけ
 
 
 
いつか逢ったときに
笑顔で赦しておくれ
今一人にしていても
 
謝っても届かない声
一羽でも渡ってく鳥
見ていてくれるかい
 
なぜ、どうして、と
問い続けている浜辺
答えたのは風音だけ
 
 
 
俺は問い続けている
俺は問い続けている
答えたのは波音だけ
 
 
 
俺は問い続けている
俺は問い続けている
答えたのは風音だけ
 
 
 

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2008/08/03

時空

080803


白い星砂を歩いてく
その浜辺はすべて骨
無数の時間を踏んで
その堆積はすべて夢
 
そうして出来た世界
逃れずにそこにいる
それが素晴らしいと
理解して言ってるの
 
 
白い砂利を歩いてく
その河底はすべて骨
無数の時間を踏んで
その堆積はすべて夢
 
そうして出来た世界
逃れずにそこにいる
それが素晴らしいと
理解して言ってるの
 
そうして出来た世界
逃れずにそこにいる
それが素晴らしいと
理解して言ってるの
 
 
素晴らしい世界とは
そうして出来た世界
それが素晴らしいと
理解して言ってるの
 
 
 

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2008/08/02

080802


甘い低いささやきで
目覚めていく光の中
握り締めた腕が包み
また幸せにまどろむ
 
温かな夢の中の予兆
違和感に気づいてる
 
孤独なとても孤独な
 
 
 
どうかささやいてて
弱っていく霧雨の中
貴方の感覚に堕ちて
ただ理由を尋ねてる
 
静かな夢の中の不吉
違和感に気づいてる
 
孤独なとても孤独な
 
 
 
どうかささやいてて
どうか貴方はどうか
 
 
 
甘い低いささやきは
もうどこにもない声
握り締めてるピロー
喪失していく目覚め
 
孤独なとても孤独な
 
 
 

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2008/07/29

墜落ス

080729


そうさこれでお終いさ
そうさみんなお終いさ
 
おいらもあんたも墜落
おまんもあたいも墜落
 
墜落墜落墜落墜落墜落
 
終いは明るくいこうぜ
姉妹は仲良くいこうぜ
 
皆で仲良くおさらばさ
 
 
 
さあさそれも仕舞なよ
そうさみんな仕舞なよ
 
おいらはあんたに墜落
あんたはおいらに墜落
 
墜落墜落墜落墜落墜落
 
それで淫らにいこうぜ
あれで妄りにいこうぜ
 
二人恋しくさようなら
 
 
 
そうさこれでお終いさ
そうさみんなお終いさ
 
お終いお終いお終いさ
お終いお終いお終いさ
 
皆で仲良くおさらばの
二人恋しくさようなら
 
 
 

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2008/07/26

想い

080726


温もり
過去のままの
探す宛もない
 
真夜中の雪原
 
降続く
凍ったしずく
 
温もり
寄り添ってた
掘り起すよう
 
まつげの欠片
 
遠くの
不穏な風の音
 
願いは
とても簡単だ
願うだけなら
とても簡単だ
 
 
 
温もり
過去のままで
育ち続けたら
 
すべて凍る波
 
吹雪に
立ち尽してく
 
温もり
寄り添った熱
思い出すよう
 
眉を撫でる指
 
近づく
不吉な風の音
 
想いは
とても簡単だ
想うだけなら
とても簡単だ
 
 
 

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2008/07/23

世界

080721


喪失、良く知ってるその名
彼、見たこともないその姿
その意味その理由その本心
問わずにいられない、何故?
 
 
 
 
崖から叩き落とされてく蝶
様々な光が一瞬だけ生きる
世界は冷たく温かく見守る
その命
 
肌に書きなぐられてく時間
跳ねまわる口と踊り狂う舌
欲の中に横たわってる虚無
その命
 
熱と湿りの間に沈殿した夜
肉に記憶された遠くの歌声
世界は無関心にただ見守る
その命
 
生々しい夢に隠された冷酷
崖から叩き落とされてく蝶
世界は冷たく温かく見てる
その命
 
 
 
 
彼の腕に包まれてしまうと
すべては充たされてしまう
冷酷は言葉と関係なく跳ね
情熱は願いと関係なく喪う
 
 
 
 
ただそれだけで在るだけで
そこにここにいるのは何故
その意味その理由その本心
問わずにいられない、何故?
 
 
ただそれだけで在るだけで
世界は静かに見ているだけ
その命この命それらの喪失
問わずにいられない、何故?
 
 
 

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2008/07/22

温もり

080722


隣に座ってごらん
お前の眼の夕陽が
見えるくらい近く
 
隣に座ってごらん
お前の甘い吐息が
わかるくらい近く
 
また恋に堕ちよう
二度でも三度でも
何度でも堕ちよう
 
ああ愛しいお前よ
俺が愛したたった
たったひとりの女
もうなくなった女
 
 
 
陽が沈み満天の星
その光が降った海
おぼえているかい
 
浜辺の温かな星屑
身に纏ったふたり
おぼえているかい
 
また恋に堕ちよう
二度でも三度でも
何度でも堕ちよう
 
ああ愛しいお前よ
お前の愛する男に
ひとりだけの男に
俺はなりたかった
 
 
 

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2008/07/16

消滅

080716


消えていくからといって
それは全く無くなるとか
亡くなるとかそういった
そういったことじゃない
 
滅んでいくからといって
それなら仕方がないとか
仕様もないとかといった
そんなことじゃないんだ
 
 
そう
 
 
ないものを手に入れたと
 
 
すべての時と空が純化し
すべての肉と骨が飛散し
すべての色と熱が消滅し
白い光に晒され待ってる
 
 
 
失っていくからといって
ただ冷めるしかないとか
諦めてるとかそういった
そういったことじゃない
 
望みがないからといって
もがいても見苦しいとか
もう無駄だとかといった
そんなことじゃないんだ
 
 
そう
 
 
ないものを手に入れたと
 
 
すべての鍵と壁は風化し
すべての鎖と革は腐食し
すべての縄と鞭は炭化し
白い光に晒され待ってる
 
 
すべての時と空が純化し
すべての肉と骨が飛散し
すべての色と熱が消滅し
白い光に晒され待ってる
 
 
 

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2008/07/14

願い

080713


純粋な結晶の中で
貴女は何を見たの
 
どす黒い欲に塗れ
燃え上がりながら
最期に何を見たの
 
 
長過ぎた孤独な夜
透明な漆黒の球体
それを取巻いてる
無数の泡粒の上昇
陽の揺らぐ水面へ
 
 
すべての想いの所
音の無い温かな所
 
 
そこで貴女に逢う
並んで腰を降ろし
陰った深淵を覗く
いつまでもずっと
そこで貴女と居る
 
 
 
無限の構造の中で
貴女は永遠を視た
 
肉は炭に骨は灰に
燃え上がりながら
最期に永遠を視た
 
 
孤独な黒い球体は
貴女の心そのもの
それを取巻いてる
無数の泡粒の上昇
陽の揺らぐ水面へ
 
 
すべての想いの所
音の無い温かな所
 
 
そこで貴女に逢う
並んで腰を降ろし
陰った深淵を覗く
いつまでもずっと
そこで貴女と居る
いつまでもずっと
 
 
 

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2008/07/12

黒い血

080712_2


錐を首に沿わせただけで
それでもう死んだつもり
 
お前の妄想で血を造って
それでもう溢れるつもり
 
それでもう黒い血黒い血
それでもう欲望の黒い血
 
 
過剰な投薬でも何度でも
それでもう逝ったつもり
 
お前の吐息で熱を造って
それでもう痛んだつもり
 
それでもう黒い革黒い革
それでもう欲望の黒い革
 
 
流れるものはすべて吸い
それでもう知ったつもり
 
それでもう黒い夜黒い夜
それでもう欲望の黒い夜
 
それでもう黒い血黒い血
それでもう欲望の黒い血
 
 
 

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2008/07/09

いこう

080626


いこう
ゆっくりと沈んで
黒い青の世界まで
音も光もかすかに
裂け目から覗く底
 
いこう
小さな泡も彷徨う
夜明け前の青い黒
微熱だけが伝わる
割れ目から覗く空
 
いこう
感触だけの世界へ
眼も耳もかすかに
皮膚だけが伝わる
堕ちながら歌う声
 
いこう
 
いこう
 
いこう
 
 
 

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2008/07/04

それはいってしまう

080628


淋しいこの感じ
哀しいこの感じ
裏切られた感覚
そういうものと
皆知っていても
 
もう一度などと
何とかしようと
縋って行く感覚
そういうものと
皆分っていても
 
行ってしまうと
変ってしまうと
止められないと
そういうものと
 
それは
行って
行って
行って
行ってしまうと
 
行って
行って
行って
行ってしまうと
 
 
 
手紙の約束とか
夜明の秘密とか
裏切られた連絡
孤独に目覚めて
見回してみても
 
忙しない日々に
浮遊する白昼に
楽しかった記憶
孤独に洗われて
見渡してみても
 
逝ってしまうと
散ってしまうと
止められないと
そういうものと
 
それは
逝って
逝って
逝って
逝ってしまうと
 
逝って
逝って
逝って
逝ってしまうと
 
 
 
許して忘れたり
新しく換えたり
その難しい苦痛
そんなことなら
解っているのに
 
簡単な事実から
絡まる理由から
希望という残酷
こんなことなら
留めていたのに
 
言ってしまうと
流してしまうと
止められないと
そういうものと
 
そして
言って
言って
言って
言ってしまうと
 
言って
言って
言って
言ってしまうと
 
それは
行って
行って
行って
行ってしまうと
 
行って
行って
行って
行ってしまうと
 
 
 

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2007/09/18

そして誰もいなくなった

070916


すべて手に入れたはず
なのにこの乾きは何故
躁より鬱より空虚な黒
それでも欠落し続けて
放っておけない焦りは
 
生きてる必要はあるの
 
 
少しの充足でさえ鬱を
多くの欠落を酷くする
その黒に引き込まれる
その時空は幻想で妄想
熱も肌も湿りも痛みも
 
何を欲しがっているの
 
 
長い時を浪費するより
この瞬間に窒息すれば
その向うに踏み出せば
すべてを欠落させれば
放っておけない焦りは
 
生きてる必要はあるの
 
 
何を欲しがっているの
何を待ち続けているの
何をためらっているの
何時までも何処までも
ここには何もないのに
ここには誰もないのに
何時までも何処までも
 
 
 

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2007/09/17

遠い鼓動

070917


降る星のもとで
願いを重ねてる
苦しさと痛みと
混ざった浮遊が
また滲みるよう
 
矮小さに傷つき
無限に伸びてる
匂いを感じた時
脳内に響く自己
必要の外の全く
同じではない音
 
降る星のもとで
願いを重ねてる
空隙に自惚れる
必要の外の全く
同じではない音
 
 
 

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2007/08/28

月食

070828


見詰めてごらん
欠けていく月を
こぼれてる光を
透き通った黒が
全て浸してく夜
 
いつも晒した黒
黒はいつも月の
月のためだけに
書いて書いてた
全て浸してく夜
 
混ざらず溶ける
確かめるように
こぼれてく鬱を
透き通った黒が
全て浸してく夜
 
お前の熱と汗と
肌と欲と湿りは
すべての色へと
混ざらず溶けて
透き通る黒へと
 
 
とても高い崖で
鏡の淵を覗いて
息を殺している
透き通るお前は
全て浸された黒
 
足首の痕をひく
お前の足首の痕
息を殺してひく
透き通るお前は
闇に浸された黒
 
お前の熱と汗と
肌と欲と湿りは
すべての色へと
輝き欠けていく
透き通る黒へと
透き通る黒へと
 
 
全て現実だった
 
 
ただお前だけに
お前だけにただ
ただ強要させて
ただお前だけに
お前だけにただ
ただ埋没させて
 
 
見詰めてごらん
欠けていく月を
こぼれてる光を
透き通った黒を
 
 
 

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2007/08/15

精霊

070815


言葉は置き去りにする
星間に放り出される鬱
 
感覚に侵入し共存する
拭えない細胞膜の疑念
 
必要よりも少しだけは
強要よりも少しだけは
共感よりも少しだけは
少しだけはましだよと
 
そう言って欲しかった
 
 
 
言葉は置き去りにする
海底に捨て撒かれる鬱
 
感覚に浸透し混合する
払えない蜘蛛糸の悪夢
 
必須よりもっと強くて
実数よりもっと分って
実写よりもっと見えて
もっと真実に近い愛と
 
そう言って欲しかった
 
 
 
言葉は置き去りにする
暗闇に取り残される鬱
海底に捨て撒かれる鬱
星間に放り出される鬱
 
やがては無くなってと
すべては無くなってと
無くなってしまってと
 
そうして絡めとられて
 
少しはましだったよと
逝ってしまうのだろう
 
 
 

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2007/08/14

不可逆

070814


時は戻らないだろう
風も雲も雨も夕陽も
流れ去るものだろう
 
すべてそうであれば
 
 
見下ろす崖に腰掛け
甲に重ねた手のひら
そのまま夜の街へと
墜ちた二人であれば
 
 
時は戻らないだろう
闇も霧も風も彗星も
流れ去るものだろう
 
取り残された記憶は
 
 
口から溢れる水音も
気づかず重ねた鼓動
そのまま夜の街へと
墜ちた二人であれば
 
 
時は戻らないだろう
愛も情も欲も貴女も
流れ去るものだろう
 
すべてそうであれば
 
 
すべてそうであれば
あればよかったのに
 
 
 

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2007/08/09

存在

070809


戻って来な
心を身体に
括り付けて
 
戻って来な
鼓動の隙に
共生する藻
 
お前が一人
愛する一人
一人だから
 
 
戻って来な
永遠の瞳に
全て話して
 
黒いそれが
引離しても
共振する藻
 
 
お前も独り
鬱する独り
独りだから
 
お前が一人
愛する一人
一人だから
 
 
 

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2007/07/27

さようなら

070727


さよならさよなら
きみにさようなら
ぼくにさようなら
みんなさようなら
すべてさようなら
 
さよならさよなら
青も窒息も足首も
黒も傷も罪も罰も
白も痛みも癒しも
みんなさようなら
 
さよならさよなら
銀や鎖や革や首や
赤や火照りや鬱や
透明や共感や渦や
すべてさようなら
 
 
温もり湿り重なり
締まり灯り留まり
 
 
さよならさよなら
雑音とか鼓動とか
確認とか観察とか
皮膚とか脳髄とか
みんなさようなら
 
さよならさよなら
部屋から空隙から
欲望から自己から
心臓から背中から
すべてさようなら
 
さよならさよなら
きみにさようなら
ぼくにさようなら
みんなさようなら
すべてさようなら
 
 
 

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2007/07/23

070723


時を遡って
虚しい全て
私にまでも
戻ったこと
虚しい全て
 
罪を知る罰
虚しい全て
私にまでも
苦と痛みを
虚しい全て
 
深淵の慈悲
その欠片の
深淵の慈悲
その欠片の
 
 
聴いていて
素直になる
鼓動だけを
平静になる
雑音だけを
 
話していて
本当になる
嘘事だけを
欲望になる
生命だけを
 
深淵の慈悲
その欠片の
深淵の慈悲
その欠片の
 
深淵の慈悲
その欠片の
深淵の慈悲
その欠片の
 
 
 

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2007/06/30

冷たい夏

070630


お前が居なくなって
なくしたものは俺の
すべてだったんだと

覚えてるかいあの夏
やけにギラついた海

すべてがなくなって
思い出してたことは
生きるのは辛いなと


何もしようともせず
漫然としてるだけの
一体どうしたらいい

白いシーツに包まり
汗だくの冷たい部屋

全部終ってしまって
悦びも哀しみも熱も
全部冷えてしまった


大切だったお前でも
今は何処かですべて
全部俺のことを忘れ

楽しくしてるだろう
笑っているのだろう

それはいいことだし
どうせならもう全部
全部忘れてしまって

欠片も思い出さぬ様
俺だけが記憶する様
冷たい夏を浴びる様



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2007/06/24

略奪

070624


破壊されてく心の
怪物を飼い馴らす
 
偶然を運命にする
態と逆らえぬよう
未来を必然にする
それで諦めるよう
 
 
止めようがないと
 
 
共感していた時が
近くに居たい願望
 
切望を忘れ去って
温度を振払うよう
未来が拓けた肌の
邪魔にならぬよう
 
 
止めようもないと
 
 
燃え残りの中心の
ゆっくりした高温
 
深いほど深くまで
いつまでも保って
忘れないでいる熱
それに気付く動揺
 
共存できないから
止めようがないと
共生できないなら
止めようもないと
 
 
邪魔にならぬよう
忘れないでいる熱
 
 
 

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2007/06/22

凝視

070622


教えてくれ
孤独感の波
存在の意味
 
 
虚無を示す
様々な織物
闇に葬った
黒く透明な
 
耳は遠くに
息も苦しく
隅を視る眼
 
取込む深夜
漂う明け方
そしてすぐ
願いは何処
 
教えてくれ
孤独感の波
存在の意味
 
何か何かに
この感覚は
教えてくれ
その場所に
 
 
輪廻を諭す
白黒の悪夢
永遠に償う
共犯の罰は
 
水を与える
その石の板
凝視した花
 
沈んだ深夜
夜と朝の境
もうすぐに
消滅の願い
 
教えてくれ
孤独感の波
存在の意味
 
居られない
その理由を
取り返しの
つかない肌
 
 
教えてくれ
孤独感の波
存在の意味
 
体と心とが
問い掛ける
教えてくれ
その場所は
 
 
逃げ場へと
墜ちるよう
踏み出す足
 
未だ見ない
全く無音の
感じてない
そんな感覚
 
 
 

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2007/06/18

070618


すべてが青く沈んでいる
ここにあることすべてが
青く沈んで浮んでいる泡
 
海辺を駆けている黒い犬
それは青く沈んでいる魚
瞳を透して魅せられる脳
 
 
すべてが青く浮んでいる
いつもすることすべてが
手段だけの作られた理由
 
大理石に打ち当てられて
雨の中を幾筋も流れ出た
瞳を通して見せられる脳
 
 
すべてが青く沈んでた私
すべてが青く浮んだ貴方
すべてが青く青く青い泡
 
 
 

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2007/06/16

破片

070616


街の空を
見ている
君の住む
街の空を
 
すっかり
忘れてて
気付きも
しないね
 
寝てても
覚めても
気持なら
傍にある
 
よく視て
ほらそこ
足首の上
触れてる
 
 
 
震えから
包んでた
後ろから
抱いてた
 
 
 
どれだけ
必要かは
解ってて
忘れたね
 
すっかり
忘れてて
想っても
いないね
 
最後の夜
取戻せる
最後の夜
月の約束
 
よく視て
ほらそこ
足首の上
触れてる
 
 
 
震えから
包んでた
後ろから
抱いてた
 
 
 
ずうっと
待ってる
夜と月と
君の破片
ずうっと
待ってる
いつでも
待ってる
 
君の空を
見ている
どれだけ
必要かも
忘れても
すっかり
忘れても
 
 
 
想っても
なくても
 
二度とは
逢う事が
なくても
 
 
 

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2007/06/12

その夏

070612


その夏、陽が落ちて
熱い膚に包まれてた
飛び跳ねた汗の肢体
白い水面が揺らいだ
 
二つの柔は衣に摺れ
二つの豊は空を向く
そして呑まれた生杭
液音と欲が混ざった
 
 
その朝、陽も忘れて
上や下や転がってた
広げ広げられた羽根
白い湿度が零れてた
 
それでもそこまでも
こうしてここまでも
四本の腕と四本の脚
湿度と熱が溶けてた
 
 
その夏、陽が落ちて
熱い膚に包まれてた
飛び跳ねた汗の肢体
白い水面が揺らいだ
 
二つの柔は衣に摺れ
二つの豊は空を向く
そして呑まれた生杭
生音と欲が混ざった
 
 
 

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2007/06/09

魔法

070609


場所を見つけていても
自分を取戻せなかった
全てを捨てて消えても
行ってしまわなければ
 
永遠に続く無色の日々
 
 
ここにある命をやろう
ここにある全てのもの
その手で絞めてしまえ
それは殺されることで
所有できるという魔法
その時理解するだろう
 
 
漂ったままの夢の欠片
形のない意識だけの顔
不安定で一時的な幸せ
羊水に沈んで行く様な
その時は何処に行った
その時は何処に行った
気持ちは何処に行った
 
 
時間は分かっていても
行ってしまわなければ
全てを捨てて消えても
行ってしまわなければ
 
気配の欠片もない温度
 
 
ここにある命をやろう
ここにある全てのもの
その手で絞めてしまえ
それは殺されることで
所有できるという魔法
その時理解するだろう
 
ここにある命をやろう
ここにある全てのもの
その手で絞めてしまえ
それは殺されることで
所有できるという魔法
その時笑ってるだろう
 
 
冷たい伝言を聞いた時
胸を貫通してた鉄の棒
それは暗闇への重量感
その感覚のままで居る
 
ここにある命をやろう
ここにある全てのもの
その手で絞めてしまえ
それは殺されることで
所有できるという魔法
その時理解するだろう
 
ここにある命をやろう
ここにある全てのもの
その手で絞めてしまえ
それは殺されることで
所有できるという魔法
その時笑ってるだろう
 
 
 

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2007/06/04

屍体

070604


つかんだ頭は
生温かな姿態
湿った花瓶は
ゆっくり注ぎ
静寂から横暴
静から動へと
 
よく視てご覧
そのふたりは
私ではないし
お前でもない
 
脳の脳だけの
容器と肌と骨
突起と鼻と舌
脳の脳だけの
 
ほら哭いてる
 
 
脳の脳だけの
姿態肢体屍体
脳で発火した
姿態肢体屍体
 
 
 
焼け落ちた縄
持去った心臓
反復の自己は
犯した間違い
いつか視た像
数十年も前の
 
よく視てご覧
そのふたりは
私ではないし
お前でもない
 
脳の脳だけの
容器と肌と骨
突起と鼻と舌
脳の脳だけの
 
ほら逝ってる
 
 
脳の脳だけの
姿態肢体屍体
脳で発火した
姿態肢体屍体
 
 
 

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2007/04/15

確認

070415


それは湿った風そっと
頬を撫でられただけの
 
赤土を掘り返している
遠い過去に埋めた屍体
 
俺はお前を今になって
確かめようと言うのだ
 
 
それは蛍が飛ぶような
そういう夕方の湿った
 
赤土を掘り返している
照らし出された白い罪
 
俺はようやっとお前を
胸に抱こうと言うのだ
 
 
赤と白との粉が混ざり
大きな渦を巻き始める
 
それは混沌とし始める
発散も収束も初期条件
 
そのなかに入り込んで
一緒に混ざり合ってく
 
 
気がついたときお前は
指の間から零れてた白
 
 
 

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2007/04/14

屍骸

070417



跳ねてる使い捨ての
取っ手のような生の
行く先々で突き当る
 

散らかってる部屋で
何度もよじ登った獣
獣によじ登ってる獣
先にお行きなさいと
言葉が聞こえるまで
 
 
 

答えを捜し続けてる
戻れる道は一体どれ
同じように捜してる
 

獣から走り去った獣
怯えたまま逃避する
湧いた妄想の雲の中
先にお行きなさいと
言葉が聞こえたから
 
行くのならいますぐ
行くのならいますぐ
教えた通りなぞって
行くのならいますぐ
 
 
 

出しては入れていく
いつも口を視ている
じっと口を視ている
 

口実まで喰べている
こんなに近づいても
掴んだ髪は逃した獣
先にお行きなさいと
言葉が聞こえている
 
行くのならいますぐ
行くのならいますぐ
教えた通りなぞって
行くのならいますぐ
 
 
 
ぼろぼろにくずれて
落ちていくいますぐ
ぐずぐずにばらけて
墜ちていくいますぐ
ばらばらにほうけて
堕ちていくいますぐ
 
転がってる獣の屍骸
 
 
ぼろぼろにくずれて
落ちていくいますぐ
ぐずぐずにばらけて
墜ちていくいますぐ
ばらばらにほうけて
堕ちていくいますぐ
 
転がってる獣の屍骸
 
 
 

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2007/04/13

1時51分

070413_1


夜中に街を彷徨う
同じ感覚があるの
視た物が眩しいの
似た者が欲しいの
名前と顔と居場所

無人の通りを渡り
闇に溶ける高揚感
黒に融ける浮遊感
免疫のある孤独感
足早な靴音が響く

愛が何か解るよう
愛を注いでみたい
ただ愛してみたい
すべて一人にだけ


夜中に街を徘徊る
眼に口に鼻に耳に
寝静まった雑音の
気配だけ充満する
名前と顔と居場所

無人の通りを渡り
ふと食べ物の匂い
微かな雨粒の匂い
遠い昔の髪の匂い
早足の靴音が響く

愛を注いでいたい
脳内の大河の流れ
ただ愛していたい
すべて一人にだけ


夜中の街の出来事
夜中の街で思う事



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2007/04/08

欠陥品

070410


突然消えてしまったなら
すっかり忘れてしまって
深い海の深い穴に埋めて
必ず二度と出られぬよう
 
突然無くなっていたなら
まったく覚えていないで
雨や風や不意の気配にも
再び夢で思い出さぬよう
 
突然終ってしまうことは
お前の気持ちが千切れて
感情が欠落した小結晶の
空隙を通り過ぎただけの
 
突然浮んできた影ならば
それはもう関係ないから
何かの勘違いとしてくれ
それでも眠れぬ夜ならば
 
突然消えてしまったなら
すっかり忘れてしまって
意味なく寂しくなったら
大好きな黒髪を梳かして
大好きな眉を撫でてみて
大好きな傷に触れてみて
 
 
 

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2007/04/06

予兆

070406


予兆
必要は失ってわかる
なくしてから気付く
大きな泡が弾けてく
また大きく育ってく
それを沈みつつ観る
 
お前も入ってごらん
内側から見た膜の虹
反射する光線と雑音
何かの知らせが弾け
また何かを知らせる
 
本当のことを言えば
お前を恋しく思って
本当のことを言えば
お前への恋しい痛み
 
 
予兆
不足は補ってわかる
あふれてから気付く
大きな魚が擦り抜け
また大きく迂回する
それを沈みつつ観る
 
お前も沈んでごらん
下側から見た波の水
反射する光線と雑音
何かの知らせが注ぎ
また何かを知らせる
 
本当のことを言えば
お前を恋しく思って
本当のことを言えば
お前への恋しい痛み
 
疲れて疲れ切っても
 
お前の胸に泳いでく
お前の脳に沁みてく
お前の胸に泳いでく
お前の脳に沁みてく
 
 
 

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2007/03/29

070329


見上げてごらん夜空を
またたきかける星屑と
心が浮んでいる溶媒は
すべては透明な黒へと
 
ずっと独りでいた心は
たった独りでいた心に
震えて詩を書いていた
すべては透明な黒へと
 
しなければならぬこと
それを乗り越えていく
その面倒で臆病な葛藤
すべては透明な黒へと
 
君の傷と骨と金属とは
とても大切で美しい欲
そう君を好きなままで
君を好きなままでいる
 
 
覗いてごらん瞳の中を
そこに映っている瞳と
脳に浮んでいる溶媒は
すべては透明な黒へと
 
ずっと独りでいた紐は
たった独りでいた首に
いつまでも繋がってる
すべては透明な黒へと
 
君の膚と血と骨と泡は
とても大切で美しい欲
そう君は臆病に濁する
君は臆病なままだけど
 
 
またたきかける星屑は
君だけに降り続けてる
君だけに降り続けてる
君だけに降り続けてる
 
またたきかける星屑は
君だけに降り続けてる
君だけを好きなままで
君だけに降り続けてる
 
 
 

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2007/03/26

青珊瑚

070326


小さな珊瑚のかたまり
無数についたあわつぶ
ふつふつと離れていく
 
 
ゆっくりとした上昇を
次々行く全てを視てる
その中心に映った俺を
 
 
石灰に成り果てた俺は
ふと眠りから覚めた時
満月の夜に漂っていた
 
 
気泡は全て違う速度で
次々行く全てを視てる
こちらを視てる無数で
 
 
薄青い岩場に取り付き
花の口を広げ分裂して
小さな青珊瑚になった
 
 
気泡は光の漂う方へと
そこが終焉そこが終着
首が痛いほど見送って
 
 
俺は俺が作ったあわを
俺の体につけたあわを
見詰めるだけの存在だ
 
 
次々と見詰め見送って
その中心に映った俺を
ゆっくりとした上昇を
 
 
寂しいとも嬉しいとも
何も感じることもなく
見詰めてるだけなのだ
 
 
 

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2007/03/24

妄想の仕掛け

070323


自室で自失していく
文字の謎の気ままが
記号の意味の解釈が
 
見たもの聞いたこと
それも脳内の出来事
数えて眠れるなんて
 
狼に追われた羊飼い
飛んだ小川は何処へ
何処で広く深く濁る
 
 
微かな期待を持って
目印しを作っている
晒されても隠された
 
傷を得ようと働く勘
それでまだ視ている
不慮ではない生け贄
 
 
閉じ篭る閉じ篭って
閉じ篭る脳に入って
閉じた闇に混ざって
 
体から脳から繋がる
 
 
 
お終いの仕掛けだけ
外に張り巡らされる
呆れたまま凝視して
 
閉じ篭る閉じ篭って
閉じ篭る脳に入って
閉じた闇に混ざって
 
体から脳から繋がる
 
 
 
沈黙を確認する羊は
感覚を虐めるために
爪先を切り落とした
 
あなたの毒をあおり
二度とは甘さだけを
味わえない様にした
 
心にある楽園を視よ
見付けられ様として
見付けられ様として
 
体から脳から繋がる
 
 
 

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2007/03/15

我は罪人なり

070304


さあ時間だ
 
夜が明けきるまえに
 
楽園に満ちる無意味な無慈悲
空隙に充ちる冷静でいる歓喜
お前の主は慈悲をかけている
楽園の主は慈悲をかけている
 
眠ることはできない
 
さあ時間だ
 
 
 
もう時間だ
 
お前を望んだままで
 
連去って消してくれ
お前を望んだままで
楽園の主に捕われて
お前の主は裁かれる
 
滅せよ我は罪人なり
 
もう時間だ
 
 
 
さあ時間だ
 
夜が消えてくまえに
 
楽園に満ちる無意味な無慈悲
空隙に充ちる幻想の中の妄想
お前の主は禁じられたままで
狂ったまま最後まで覗く気だ
 
滅せよ我は罪人なり
 
さあ時間だ
 
 
 
お前の主は慈悲をかけている
楽園の主は慈悲をかけている
 
眠ることができない
お前を望んだままで
連去って消してくれ
 
 
 
さあ時間だ
 
罪人が裁かれる時間になった
 
 
 

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2007/03/08

君がいない、僕がいない

070308


光のない世界がいいの?
色のない世界が
 
正しさも誤りも
幸せも不幸せも
そんな色なんて
判らない方がいいから?
 
 
時のない世界がいいの?
静止した世界が
 
温度も雑音とか
振動も運動とか
それで時なんて
実感したくもないから?
 
 
君のない世界がいいの?
意味ない世界が
 
共感も欲望すら
高揚も鬱病すら
そこは僕なんて
居る意味すらないから?
 
 
そうその感覚を許そう
その世界までの墜落を
もうその感覚を試そう
その世界までの到達を
そうその感覚を許そう
 
 
全ての階段を踏み外し
君の過ちになってく僕
折れ曲った虚無に浸り
それは君が取るリスク
決められないとしたら
 
 
判らない方がいいから?
実感したくもないから?
居る意味すらないから?
 
 
そうその感覚を許そう
その世界までの墜落を
もうその感覚を試そう
その世界までの到達を
そうその感覚を許そう
 
 
そうその感覚を許そう
その世界までの墜落を
もうその感覚を試そう
その世界までの飛行を
そうその感覚を許そう
 
 
 

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2007/02/27

沈む

070227


冷たい海に 沈んでいく
ゆっくりと ゆっくりと
数ミリ位の 気泡の浮ぶ
その速度と 同じ鈍さで
ゆっくりと ゆっくりと
沈んでいく 沈んでいく
 
これが俺の視る終の世界?
 
無くなった脚を掴んでる
優しくて柔らかで重い力
それに身を任せたままで
 
 
あんなにも 青の青の青
ゆっくりと ゆっくりと
もう濃青も 黒に呑まれ
その速度と 同じ鈍さで
ゆっくりと ゆっくりと
もはや光も 色も透明も
 
これが俺の視る終の世界?
 
無くなった腰に巻き付く
膚のようできつい甘い罠
それを身に絡めるように
 
 
上も下も無 右も左も無
ゆっくりと ゆっくりと
温度以外に なにもない
なにもない 無限の世界
ゆっくりと ゆっくりと
混沌とする 完全な浮遊
 
これが俺の居る終の世界?
 
無くなった肉と骨と血と
俺以外のすべて捉える圧
それで潰されてくように
 
 
ゆっくりと ゆっくりと
冷たい海に 沈んでいる
 
 
 

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2007/02/26

鬱色

070226


それは悪い兆し
鬱の

しっかりしてた
黒じゃない部分
その泡が潰れる
その様子を視て
言訳を捜してる


蓋から溢れる液
鬱の

どんな状態かは
いま言わないと
鼓動と耳鳴りの
雑音に消される
途切れてく警報


つまり本音では
恋しくて哀しい
哀しくて恋しい
そう真実はそう
哀しくて恋しい



それは溺れる海
鬱の

もう一度それを
ただ読み返して
溺れてくさまを
あの島にまでは
漕ぎ着けない舟


蓋から溢れる色
鬱の

こんな状態では
もう言わないと
頭痛と不快感の
無気力に呑まれ
微かになる警報


つまり本音では
恋しくて恋しい
恋しくて恋しい
そう真実はそう
恋しくて恋しい



腕も挙らない程
鬱の

行かせなければ
そうしたかった
それでよかった
そんな雑音の中
途切れてく警報



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2007/02/25

欠落

070225


妄想で歪んでく幻覚が
欠けてく月を曇らせる
濃霧に囚われてる生活
掻き分け達したいから
捜して見上げてる夜道

うねりにある筋を撫で
そのままで掬い採る指
支配していく細胞の泡
手を突かせず視ている

その部分と全体の欠陥


坂の下に広がる街灯り
瞬く星屑が滲んでいく
雑音に抛られてる日常
色さえ無くしたいから
拭って覆っている両手

半端ほど美味しい理由
たとえば治りかけとか
その腐乱した落下の痕
勝手な接吻を視ている

それは無感覚な欠損感


過大な評価をするから
触れて嫌われる傷から
身を守ろうとするから

当たり前な感覚の欠落


その部分と全体の欠陥
それは無感覚な欠損感
当たり前な感覚の欠落

それをじっと視ている



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2007/02/14

ここで

070214


想ってる想ってる
心にだけ残してる
見失ったせつなさ

喪ったなくなった
二度と交わらない
いなくなってた熱

いつまでも待って
いつまでも抱いて
いつまでも待って
いつまでもここで

ここで



痛がって強がって
心の隅に置いてる
待ち続ける温かさ

帰らない還らない
置去りのままでも
ひとりでも待って

いつまでも待って
いつまでも抱いて
いつまでも待って
いつまでもここで

ここで



伝わってどうかどうか
どうかもどって温めて
冷えきったこの場所を

今すぐもどって温めて
今すぐ今すぐに温めて
冷えきったこの場所を
どうかもどって温めて



想ってる想ってる
心にだけ残してる
見失ったせつなさ



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2007/02/13

生き残り

070213


眠りを覚ましたのは
右手の指を齧ってる
ウミガメのくちばし
 
はっきりしない頭は
もげて転がったまま
空洞の瞳で見詰める
 
 
珊瑚の欠片に混ざり
見分けもつかない指
残りは何処に行った
 
俺の頭には海藻の髪
眼窩が住処のギンポ
脳無の意識は考える
 
残りは何処に行った
お前は何処に行った
 
 
沈んだブルーホール
眼を凝らす水面の先
泡だけが浮上してく
 
微かで確かな光束の
青の世界に浮かんで
心底浸り満たされた
 
 
それから何かが起り
流され腐敗し喰われ
本当に青に溶込んだ
 
あれは何処だったか
あれが何時だったか
あれはお前だったか
 
こうして時々目覚め
ぼんやりと考えてる
 
 
 

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070213_1


吐息溜息掛かる息
規則と不規則の息

その音を感じる夜
時計の微かな音や
家の軋む音でなく
思い出せない皮膚

その音を感じる夜
何かが囁いてた音
体を拘束する物音
思い出せない記憶


吐息溜息掛かる息
規則と不規則の息

夜が明けてしまう
解けないままの謎
物は必ず壊れる物
夜が明けてしまう
謎は解けないまま


吐息溜息掛かる息
規則と不規則の息

その音を感じる夜
時計の微かな音や
家の軋む音でなく
思い出せてない顔

その音を感じる夜
何かが蠢いてた音
体を拘束する物音
思い出してる記憶


吐息溜息掛かる息
規則と不規則の息



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2007/02/12

070212


滑らかなままの水
楽に泳ごうとする
見えてない岸まで
 
直ぐ掴まれる足首
内に引き摺り込む
誤摩化し言訳して
 
 
いまさら誰も何も
責めてるのは自分
底からもがくのを
泡を眺めてるだけ
 
 
言い知れぬ焦りは
止まらないでいる
見えてない岸まで
 
また掴まれる足首
黒に引き摺り込む
はぐらかし逃げて
 
 
いまから浮上して
精一杯息をしたら
正しいことなのか
ただの病気なのか
 
 
それは何との比較
何も比較できない
全て比較できない
 
 
ただ家へ帰りたい
家へ帰りたいだけ
ただ内に還りたい
内に還りたいだけ
 
 
 

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070212_1


悪くしといてくれ
孤独にしておいて
鍵をかけてしまう
閉じこもった内側

止めないでおくれ
喪失のまま置いて
垂れ流したままで
水で封じ込んだ泡

二度と浮ばない粒
決して二度と再び
決して二度と再び

粒たちから弾ける
弾け続けてる絶叫



悪化したまま放り
それが全ての甘さ
ただの敗者の祈り
それは怠惰の奢り

始める前から既に
終ろうとしている
走る前に休みたい
泳ぐ前に沈みたい

する前にやめたい
何も欲しくない粒
何も欲しくない粒

粒たちから弾ける
弾け続けてる絶叫


何も問題はないさ
特別に基準はない
善悪に比較はない
何も生きることに
何も愛することに


弾けてしまうから
二度と浮ばない粒
決して二度と再び
決して二度と再び



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2007/02/09

浮遊熱

070209


空を飛んでいる
仰向けのままで
空を飛んでいる
動かないままで
流れてく雲の中
腕を伸ばしてる
完全なる浮遊だ

不意に迫る氷山
動かないままで
避けようとする
切れそうに寒い
その速度のまま
伸びた指の先へ
激突閃光暗闇白

夏に照らされて
今年は異常だと
汗まみれで言う
咽がからからだ
この暑さは何だ
腕が伸びたまま
荒道を歩いてる



目覚めた天井は
じりじりと白い
落ちる廻る感覚
銀色の細い棒に
絡まる不快な蔦
供給される浮遊
動かない腕と指



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善良と悪徳

070209_1


どこから来たのか
思い出せない過去
今だけはっきりと
今だけくっきりと
思い馳せない未来
どこまで行くのか

感じたくないのに
下る坂を下る下る
したくもないのに
考えたくないのに
登る道を登る登る
感じたくないのに

草原の穴から出て
広がった空を見る
間違いや悪いこと
飲み込んだままで
そこにないことを
確認して空を見る

欲しがらないよと

心地良い風が吹き
緩やかな丘を走る
半分だけ満たして
それで充分だから
飲み込んだままで
広がった空を見る

どこから来たのか
思い出せない過去
今だけはっきりと
今だけくっきりと
思い馳せない未来
どこまで行くのか

誰かも同じ感覚に
囚われてないかと
善良と悪徳の洞窟
登る道を登る登る
草原の穴から出て
広がった空を見る

欲しがらないよと

どこから来たのか
思い出せないまま
どこまで行くのか
思い馳せないまま
感じたくないまま
広がった空を見る



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2007/02/08

070208_2


冬の間
寒い間
頬に当る痛みは雪
暗闇で見えない雪
墓地に降り積る雪

緑に塗られた黒と
青に叩き付けた白
この絵は一体誰の
パステルと木炭の


今すぐ
今溶く
フキサチーフの露
乾き固定してく露
墓地に染み込む露

黒に零した透明と
白に乗り上げた青
この絵は一体誰の
パステルと木炭の


筆の軸
先の煙
頬に伝わる露は涙
暗闇で見えない煙
墓地に隠される白

先に行く儀式から
送ってる儀式まで
濃青で偽装された
黒い青の壁の向う



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2007/02/06

それを

070206


自分の自分の足もとから
延びてる変えられない道
なのに見失い迷ったまま

迷ったまま迷ったままで
他と交わってもいない道
なのに薄笑い迷ったまま

それをどのくらい待つの
そのときまでどのくらい
それをどのくらい待つの


恐れてた怖れてた畏れて
その準備だけで疲れ果て
それでも待ってるだけの

先にいって先にいっても
ここで待っているつもり
いつまでも待っているよ

どのくらい待っていたら
どのくらいそのときまで
どのくらい待つのそれを


戻って戻って戻って来て
戻って来て笑って欲しい
笑って笑って笑いかけて

自分の自分の足もとから
延びてる変えられない道
なのに見失い迷ったまま

いつまでも待っているよ



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2007/02/03

背中

070203


冷たい風に寄り添い
流れ着いた窓が曇る
突いたおまえの手に
俺の指を組み込んで
二人で夜を見てるよ
 
逃れようのない泥水
まとわりつく無気力
掴みどころない泥水
そして溶け込むよう
また眼を閉じた二人
 
 
おしまいへの到達に
悦びと諦めだけでは
巻いたおまえの頸に
俺の指を押し込んで
二人で淵を視てるよ
 
無意識に張った見栄
まとわりつく浮遊感
無意識に張った意地
それに融け込むよう
また眼を閉じた二人
 
一つに重なったまま
無気力に堕ちていく
おしまいへの浮遊感
 
 
 

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070203_1


こんなに逢いたい気持
胸の亀裂から溢れてる
それは流れて君の石に
そこは遠くの違う世界
もう触れられない時間

今更取返しもつかずに
指からすり抜けてた砂
それは流れて君の石に
誤解とかすれ違いとか
本当馬鹿げてたんだと

今頃わかったとしても
泣き顔のキスの意味も
それは流れて君の石に
そこは遠くの違う世界
もう撫でられない時間

抜け出して待ち合せた
夜を歩く二人だけの時
ああして偶然出会って
初めて見詰め合った時


あの夏に遊んだ海の青
あの雪にさした傘の赤
いま同じそこに立って
舞い戻る想い出の中で
隣にいた君を忘れない

今迄取返しもつかずに
指からすり抜けてた砂
それは流れて君の石に
誤解とかすれ違いとか
本当馬鹿げてたんだと

今頃わかったとしても
君のさよならの意味も
それは流れて君の石に
そこは遠くの違う世界
もう届きはしない時間

抜け出して待ち合せた
夜を歩く二人だけの時
ああして偶然出会って
初めて見詰め合った時
追いかけじゃれてた時
後ろから抱締めてた時
黙って髪を撫でてた時
ずっと二人で漂ってた
白い部屋のすべての時

抜け出して待ち合せた
夜を歩く二人だけの時
ああして偶然出会って
初めて見詰め合った時
ずっと二人で漂ってた
白い部屋のすべての時
ずっと二人で漂ってた
白い部屋のすべての時



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2007/02/01

月明りの夜に

070201


空気の密度が増して増して
私は月明りの街に飛び込む
眼の下に揺らいでる灯り達
私は月の下でゆったり泳ぐ
 
食べ物も愛も溢れてるのに
私は確かに重く飢えている
歳を取るほど真実が揺らぐ
空隙や空洞を渇望していく
 
 
空気の粘度が増して増して
私は月夜にあなたを想った
星は弱々しく揺らいでいる
私は月夜に眠れないでいる
 
あなた以外の全てのものが
いつも嘘を置き去りにした
ぼやけて光り冷たく沈んで
濃密な空気の下で揺らいで
 
 
全てのことは当然のことで
その言葉はまだ頭に残して
全ての時間も当然のことで
その言葉は決して言わない
 
 
私はゆっくりと泳いでいく
星は弱々しく揺らいでいる
食べ物も愛も溢れてくほど
私は月夜に眠れないでいる
 
あなた以外の全てのものが
空隙や空洞を渇望していく
あなた以外の全てのものは
ぼやけて光り冷たく沈んで
 
 
私は確かに重く飢えている
私は月明りの街に飛び込む
私は月夜にあなたを想って
私は月夜に眠れないでいる
 
 
 

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2007/01/30

罪人

070130_1


罪を匿ったままの罪人
裁かれない罪悪ならば
罪人にしか許せない罪

黒い部分以外は讃えて
黒い部分だけは嫌って
黒い部分を切り取って
陶器の刃で裂き刻んで

そうして残した私だけ
骨ごと叩き潰せばいい
そうして赦される罪人


私は畑になってしまい
あなたは根を伸ばした
たくさん黒い実が落ち
私はそれを取り戻した
そうして赦される罪人

これが本当の私の暗闇
これでもあなたは好き?
こんな正体を飲込んで
放っとけばいいのにね

あなたも罪人だったら
黒から取残した私だけ
骨ごと叩き潰せばいい
そうして赦される罪人

あなたも知ってる通り
あなたも赦される罪人


あなたの実は腐敗して
黒い酒になって滲みた
たくさん黒い実が崩れ
私はそれを取り戻した
そうして赦される罪人

これが本当の私の暗闇
こんな悪魔のため祈る?
どうしようもない堕落
関らなくていいのにね

あなたも罪人だったら
そうして残した私だけ
骨ごと叩き潰せばいい
そうして赦される罪人

あなたも知ってる通り
あなたも赦される罪人



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2007/01/29

何故

070129


なぜだなぜだなぜだ
 
夜へ籠っちまうのは
夜に鬱っちまうのは
夜と戯れちまうのは
そんでもって勝手に
夜が明けちまうのは
 
一体全体なぜなんだ
 
 
なぜだなぜだなぜだ
 
好きに眠れないのは
夢が見られないのは
誰か話しかけるのは
そんでもって勝手に
夜が明けちまうのは
 
一体全体なぜなんだ
 
 
鬱が移っちまうのは
なぜだ
 
夢が逃げちまうのは
なぜだ
 
夜が消えちまうのは
なぜだ
 
なぜだなぜだなぜなんだ
 
 
生きてるのはなぜだ
欲しがるのはなぜだ
喰ってるのはなぜだ
やってるのはなぜだ
死んでくのはなぜだ
 
飛び降りたい魅力
溺れ沈みたい魅力
冷え漂いたい魅力
温い抗えない魅力
放出と受容の魅惑
 
生きてるのはなぜだ
欲しがるのはなぜだ
喰ってるのはなぜだ
やってるのはなぜだ
死んでくのはなぜだ
 
なぜだなぜだなぜなんだ
 
 
 

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2007/01/27

群れ

070127


それを聴こうとしたことはなかったかい?
 
毛穴まで広げそれを感じようとしたことは
白い靄のような黒い海水のような何かの影
眼の隅からちらっと覗いたりするあれの影
 
俺はその一部なんじゃないのかという妄想
 
 
 
君が何か寂しさや恋しさを感じるときには
決して捕まらないそいつがそこに居るんだ
小さくきらめく泡粒の群れが立ち上ってる
 
みなその一部なんじゃないのかという妄想
 
 
 
俺が眠る直前まで覚えてる雑音
俺が漂ってる冷たい月の夜の光
俺が漂ってる冷たい水の中の光
俺が目覚めるときにしてる雑音
 
 
 
 
君は願う物を手に入れるかも知れないけど
君はそれで罪を犯してくかも知れないけど
君が欲しがるたびそいつはそこに居るんだ
 
みなその一部なんじゃないのかという妄想
 
 
 
君がそいつを視ると理解するかも知れない
君がそいつの意味を話そうと口を開くほど
君がそいつを魅入っている間はずっと居る
 
みなその一部なんじゃないのかという妄想
 
 
 
眠る直前まで覚えてる君の雑音
俺が漂ってる冷たい月の夜の光
俺が漂ってる冷たい水の中の光
目覚めるときにしてる君の雑音
 
 
 
君が何か寂しさや恋しさを感じるときには
決して捕まらないそいつがそこに居るんだ
小さくきらめく泡粒の群れが立ち上ってる
 
みなその一部なんじゃないのかという妄想
 
 
 
君がそいつを視ると理解するかも知れない
君がそいつの意味を話そう口を開くほど
君がそいつを魅入っている間はずっと居る
 
みなその虚無からは出られないという妄想
 
 
 
重たい水の上を無音で渡った鳥
小さな泡の中で体を捻ってる子
生命の無限の無数の泡粒たちの
その鏡のような海に沈む夕陽を
 
二人で見てるというのが愛なんだろうか?
 
 
 

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070127_1


ああ漸く

俺は気付いた
絡め採る罠に
絡め採られて
頭を齧られて

拘束は誰を縛ってた?


ああ暫く

俺はそのまま
真ん中にいた
全ての真ん中
悪人の真ん中

罵倒は誰を罵ってた?


問題はお前じゃなく
悪徳もお前じゃなく
原因はお前じゃなく
加痛もお前じゃなく


ああ漸く

俺は気付いた
罠の真ん中で
もがくだけだ
小さな泡の中


束縛はお前じゃなく
抑圧もお前じゃなく
屈服はお前じゃなく
服従もお前じゃなく


やつは俺を捕獲する
俺を捕獲し離さない
捕獲し離さない罠だ
捕獲し離さない泡だ

俺は孵化まで遡った



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2007/01/14

ラヴパルス

0070114


覗き込んだ闇のグラビティ
黒の底で混ざり合ってる星
遠くで鳴る熱いラヴパルス
崩れ落ちる色を拾っていく
 
幾筋も流れ落ちていく星屑
手間取り浮遊して彷徨う夜
 
巡り会えた部屋で創る物語
青く冷たく痛くて甘い悪夢
 
 
覗き込んだ闇のグラビティ
脳の底で混ざり合ってる泡
遠くで鳴る熱いラヴパルス
崩れ落ちる肌を浚っていく
 
見上げる月を浮かべた水面
だれて滲みていく無限の淵
 
互いに応え絡んでいく肉厚
青く冷たく湿った甘い接吻
 
 
覗き込んだ闇のグラビティ
瞼の裏で混ざってる浮遊物
遠くで鳴る熱いラヴパルス
崩れ落ちる肉を波打たせる
 
 
痛みの熱は闇のグラビティ
塞がれてく熱いラヴパルス
覗き込んだ闇のグラビティ
遠くで鳴る熱いラヴパルス
 
 
 

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2007/01/08

何故

070108


たった一人の
味方の君にも
子供じみた嘘
腐敗した細胞

もう晒せない
遠のいた傷跡

訳を捜してる
ずっとずっと
捜してるだけ
誰も知らない
訳を捜してる


何時かここで
また逢った時
君にたずねる
腐敗した理由

答えてくれよ
こうなった訳

理由を捜して
ずっとずっと
捜してるだけ
誰も知らない
理由を捜して

答えてくれよ
これでいいか

訳を捜してる
もっともっと
安心するため
誰も知らない
訳を捜してる

存在の理由を
訳を捜してる



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2007/01/05

季節の中で

070105_1


心を刻んでいったひと
訳も言わずいったひと
どしても逢えないひと

星空に手を伸ばしても
もう肌に触れられない


伝えられなかったひと
理由もなくいったひと
一度きりでもいいから

海風に喉を嗄らしても
もう声ひとつ届かない


いつまでも刻んだまま
そのままにしとくから
いつか逢ったときには
きみを必ず抱き締める
何度も何度でも抱くよ


心に刻まれている名前
どしても逢えないひと
石に刻まれている名前

ただ流れる季節の中で
ずっと待っているから


いつまでも刻んだまま
そのままにしとくから
いつか逢ったときには
きみを必ず抱き締める
ずっとずうっと抱くよ

何度も何度でも抱くよ



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2006/12/31

あきらめられない恋

061231


裏切られたって気持ちが
折り重なって沈んでくる
また私を想って欲しくて
黒いわがままで困らせる

叶わない願いと認めたり
無かったことにしたりは
あまりに本当のことだし
静かに冷たく沈んでそう

まったくの新しい二人で
本当はもう一度初めから
まったくの新しい物語で
そういうことはもう無理?

本当にわかってなかった
だんだん消えていっても
失くすことに変わりない
例えそれがゆっくりでも


交わした手紙や電話とか
折り重なって流れてくる
また私だけ想って欲しい
黒いわがままで困らせる

叶わない思いと認めたり
失くしたことにしたりは
あまりに本当のことだし
静かで冷たくて流れそう

生れ変わったとしたなら
もう一度本当の初めから
生れ変わった物語の中で
そういうことはもう無理?

本当にわかってなかった
だんだん消えていっても
失くすことに変わりない
例えそれがゆっくりでも


本当にわかってなかった
だんだん消えていっても
失くすことに変わりない
例えそれがゆっくりでも



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2006/12/26

タール

061226


五つの線を渡り 音符の上を歩く
一つずつ踏締め 上へ下へと歩く
何度も何度でも 黒丸の上を歩く
何度も何度でも 深く眠れるまで 

黒い穴に落ちて 辺りは暗闇の森
黒い空に銀の星 足元には黒い池
幾度も幾度でも 星屑の上を歩く
幾度も幾度でも 深く溺れるまで


駆け抜けた昼は 今と別人のもの
あの一生懸命は 私のじゃない私


黒い池に溺れて 辺りは黒い透明
黒い水に銀の星 銀の眼の黒い魚
何時も何時でも 星屑と共に踊る
何時も何時でも 深く酔えるまで


世界は何処かに 堕ちてしまった
何度も何度でも 深く眠れるまで 
幾度も幾度でも 深く溺れるまで
何時も何時でも 深く酔えるまで


世界は何処かに 堕ちてしまった



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2006/12/19

061219


掬ってください
哀しみの海から
 
掬ってください
狂ってる心から
 
掬ってください
無意味な欲から
 
掬ってください
不必要な私から
 
 
夜に浸ったまま
隠れるだけの朝
待ってるのです
あなたの手だけ
 
 
そしてください
温もりと痛覚を
 
そしてください
手触りと共感を
 
そしてください
今迄の罪と罰を
 
 
夜に浸ったまま
隠れるだけの朝
待ってたのです
あなたの手だけ
 
 
掬ってください
掬って
掬って
掬って
掬ってください
 
 
夜に浸ったまま
隠れるだけの朝
待ってたのです
あなたの手だけ
 
 
掬ってください
掬ってください
掬ってください
掬ってください
 
救ってください
 
 
 

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2006/12/02

同化作業

061202


鉛の海が荒れる
鋼の空が混ざる
白い波に群れる

頭で考える言葉
そんなことより
感染する熱と音

まえとうしろと
叩き合ってる膚

無限の底を覗く



頭で考える言葉
そんなことより
納得する味と香

まえとまえとで
擦り合ってる黒

眼を凝らしてる



闇の孤島の岬の
黒の断崖の岩の
青の風に群れる

頭で考える言葉
そんなことより
浸潤する湿と音

まえとうしろと
叩き合ってる膚

切れた先を覗く



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2006/11/30

混練装置

061130


お前に死んでく
お前に死んでく
お前が俺だと感じてくためだけに
俺は死に続ける
お前は俺のモノと知るためだけに
死に続ける細胞

お前に泣いてく
お前に泣いてく
お前の痛みすべて洗い流すために
俺は泣き続ける
お前の恐怖を溶かしておくために
泣き続ける赤目

お前に祈ってく
お前に祈ってく
俺は純粋な木片の奇蹟に魂を売る
俺は祈り続ける
俺はお前に似てる彼にも魂を売る
祈り続ける葡萄

俺の視る影すべてに映るお前の髪
俺の嗅ぐ香すべてに居るお前の血
俺の喋る音すべてに聴くお前の声


お前にだけ燃え
その痛みはこれ
凶器を捻り心臓を抉り出していく
俺は嘲り続ける
それをバラバラに引き裂いていく
嘲り続ける滑舌


お前を確認する
お前は跪いてる
お前を踏み潰す
俺は実はお前そのものだと感じる
お前は請い願い
床に両手を突き
清掃してるとき
お前は実は俺そのものだと分かる

お前の触る膚すべてに知る俺の熱
お前の食す骨すべてに解る俺の味
お前の行く先すべてに在る俺の顔


お前に死んでく
お前に殺してく
お前に絡んでく
お前に浸ってく
お前に混練するため
お前に分離するため
お前に拡散するため
お前に透過するため

俺の触る膚すべてに知るお前の熱
俺の食す骨すべてに解るお前の味
俺の行く先すべてに在るお前の顔

俺はお前に死ぬ
お前に死んでく



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2006/11/28

聖人

061128


弾け飛んだ松脂より
不要な何かを見せて
傷つけるのが得意で
詰まらない非情な球

冷たい階段に座って
瞳を閉じてるだけの

ウィンドウに映った
クリスマスに光る街
関心ないまま居る黒

鳴く子猫だとしたら
誰か抱いて帰るのか

心臓は炭、脳は灰だ



飛び散った鉛屑より
不用な感情を見せて
熱くさせてるだけで
自分は冷え切った蝋

白い壁に寄り掛かり
頭を下げてるだけの

ウィンドウに映った
カリスマに疲れた顔
感動ないまま在る黒

鳴く子犬だとしたら
皆は抱えて帰るのか

心臓は石、脳は砂だ
瞳はガラス、血は埃
皮膚は泥、骨は泡だ


心臓は炭、脳は灰だ



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2006/11/26

061126


秘密をどこまで話せる?
混乱の後のタールの海
浸けてても滲みない傷
浸けてれば見えない傷
 
午前4時で止ればいい
混乱の後のタールの空
黒に籠ってるのが好き
貴方もそうなんでしょ
 
まだ一人でいる気なら
貴方の中に沁みていく
家に帰る気ないのなら
いますぐ私の中に来て
 
 
欲望をどこまで現せる?
錯乱の後のシーツの海
透けてても染みない跡
透けてれば撮れない跡
 
一度でも知ってしまう
錯乱の後のシーツの空
私だってこれが欲しい
貴方もこうなんでしょ
 
 
陽の当る側は歩かない
私が居るのは影の部分
貴方もそうなんでしょ
 
 
午前4時で止ればいい
混乱の後のタールの空
黒に籠ってるのが好き
貴方もそうなんでしょ
 
 
陽の当る側には居ない
私が和らぐのは影の所
貴方もそうなんでしょ
 
 
午前4時で止ればいい
混乱の後のタールの海
浸けてても滲みない傷
浸けてれば見えない傷
 
 
 

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2006/11/23

囁き

061123


ふと聞こえる囁き
膚に毛羽立つ刷毛
絡めとられてる脳
信仰もない加害者

もう解放してくれ
夜は越えないから
ただ抱いててくれ
閉じこもったから

だれか救ってくれ


また聞こえる呟き
膚に触れていく指
絞め浸けられた脳
お前だけが被害者

ただ聞こえる吐息
鼻に触れてく匂い
芯が直立してく脳
自由のない被災者

もう解放してくれ
夜は越えないから
ただ抱いててくれ
閉じこもったから

だれか掬ってくれ
巣喰って透くって
だれか救ってくれ


灰の海風に吹かれ
ひとり見詰めてる
焼け落ちてく朽木
内側から崩壊する


もう解放してくれ
夜は越えないから
ただ抱いててくれ
閉じこもったから

だれか許してくれ

もう解放してくれ
夜は越えないから
ただ抱いててくれ
閉じこもったから

だれか許してくれ
赦して緩してくれ
だれか許してくれ
だれか許してくれ



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2006/11/20

共生藻

061120


とても遠くに見えてたのに
あんなに長く待ってたのに
こんなに近くにいるあなた
 
来てくれると思ってたから
確かな想いで待ってたから
もう二度と怖がらないから
 
自分を罰してできた傷さえ
いまでは甘く愛しい想い出
 
また堕ちてしまってもいい
 
 
心の中だけの静かな水面に
浮かんでる黒くて小さな炎
それは消えることのない私
 
 
 
いまとなっては簡単なこと
あんなにも夢見ていたこと
ずっと見つめているあなた
 
自分を罰してできた傷さえ
いまでは甘く愛しい想い出
 
また堕ちてしまってもいい
 
 
頭の中だけの青深い湖底に
漂ったままの透明なふたり
それはなくならない共生藻
 
取り返しつかない圧滅でも
永遠の始まりになるのなら
 
また堕ちてしまってもいい
 
 
 

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2006/11/12

別れ

061112


あなたへの供物
信じて欲しいの
それが私の願い

私は死んだまま
波が凍ったから


忘れようとする
求めようとする
その狂った願い

沫を纏ったまま
風が止んだから



こんなのは嫌だ
いつも見ていて
何か喋っていて
いつも話してて
終りない言葉を



あなたは忘れた
間違いなくそう
此処にいるのに

もう永遠にそう
あの気配もない


ずっと忘れてる
ずっと朽ちてる
此処にいるのに

もう永遠にそう
石で蓋したから


こんなのは嫌だ
いつも許してて
何か緩めていて
いつも解ってて
治らない暗闇を


こんなのは嫌だ
いつも見ていて
何か喋っていて
いつも話してて
終らない言葉を



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2006/11/05

あなたはわかってる

061105_1


あなたはわかってる

あなたはわかってる
まだ感じられること
あなたが掠めた日々
あの愛は全て此処に

あなたが内に堕ちて
堕ちて堕ちて堕ちて
愛が浸透してたなら
まだ私を感じられる

もうあれはたくさん
もうあなたの底だけ
私が鬱になっただけ

もうあれはたくさん
もうあなたの色だけ
私が幸せでないだけ


あなたはわかってる
まだ感じられること
あなたが掠めた光彩
あの理由は今何処に

私があなたに堕ちて
堕ちて堕ちて堕ちて
隙に浸透してたなら
また滴を感じられる

もうあれはたくさん
もうあなたの底だけ
私が鬱になっただけ

もうあれはたくさん
もうあなたの色だけ
私が幸せでないだけ

あなたはわかってる



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2006/11/04

黒い指

061104


焦らす指先にも
絡んでた息使い
応えてくたびに

何かが変化して
心に育っていく
並の人生の憂鬱

抜け出すために

切り落としてく
歩行不能な爪先
毒果汁は無味で
爽やかな柑橘香



焦がす胸のなか
止められてた脈
白くなるたびに

絶対的な何かの
光が降り注いだ
黒の人生の憂鬱


圧倒的な何かの
支配的な誰かの
茫漠的な夜中の
黒の人生の憂鬱



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2006/10/27

補色

061027


白い首に絞め着けた
灰色のタイを視てる
青い湯船に沈めてた
クリーム色を視てる
雨に濡れた街にいた
茶色の子猫を視てる
 
その機体は戻らない
全て堕ちてしまった
 
 
溶けてしまった黒犬
透明色の首輪を聴く
居なくなってた白象
浅葱色の雑音を聴く
霧に煙った街にいた
艶色のカラスを聴く
 
船は一艘も戻らない
全て沈んでいるから
 
 
硬い輪をつけた筈の
指をなぞる男がいる
存在を否定した筈の
乗り溶ける女がいる
熱に湿った衣の波紋
お互いの空隙にいる
 
心は一人も戻らない
全て逝ってしまった
 
 
 

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2006/10/19

逃亡者

061019


目覚めても悪い夢の中
あなたの場合を教えて
どうして生きていいの
どうやって生きてるの
 
濁った水に沈んでいく
見上げる空色の泡つぶ
何を知ってると言うの
何から自由だというの
 
正しいやり方を見せて
 
 
水から顔を出す逃亡者
知っている気持ち悪さ
石壁に隠れてく逃亡者
捕まえられない泡つぶ
 
すべてが逃亡者だから
 
 
目覚めても束縛の黒罠
みんなすべてが逃亡者
お互いに掛け合う黒縄
償いの自己満足と保身
 
濁った水に沈んでいく
見上げる空色の泡つぶ
何を知ってると言うの
何から自由だというの
 
正しいやり方を見せて
 
 
水から顔を出す自尊心
知っている気持ち悪さ
石壁に隠れてく自己愛
捕まえられない泡つぶ
 
すべてが逃亡者だから
 
 
捕まえられない泡つぶ
 
 
 

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2006/10/17

ミス ユー ブルー

061017_1


ミスユー碧く

本当は今でも
恋しいオマエ
瞳を閉じれば
眩しいオマエ

抱き締めても
何も掴めない
手櫛は虚空を
擦抜けただけ

アイミスユー
ミスユー碧く
沈んでるだけ



ミスユー碧く

本当に今でも
寂しいオマエ
オレの中だけ
微笑むオマエ

ひとり寝ても
何も抱けない
右腕は明りに
浮かんだだけ

アイミスユー
ミスユー碧く
沈んでくだけ



この碧い世界
気配だけなの
この何処かで
また逢えるの



ミスユー碧く

本当に今でも
女々しいオレ
膝に座るなら
嗤っておくれ

アイミスユー
ミスユー碧く
沈んでるだけ



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2006/10/15

悪夢

061015


言葉の中指に失う自意識
見たことも聞いたことも
触れたこともない被虐詩
読んだら眠れない黒い羊
無数に増える内にやがて
 
黒い河を渡ってく白い象
黒い河を渡ってく白い象
 
 
白い象は白い鼻をもたげ
秘密の地図に印を付けた
秘宝は隠したままの悲報
直感は傷跡を指していた
何重もの箱を開けていく
 
取り出された被害者の頭
取り出された被害者の頭
 
 
言葉の薬指を含む自己愛
視たことも聴いたことも
触れたこともない加虐詩
読んだら眠れない蒼い狼
無数に増える内にやがて
 
蒼い底を漂ってる白い骨
蒼い底を漂ってる白い骨
 
 
白い骨は白い指をもたげ
秘密の手紙に線を引いた
悲報は隠したままの訃報
直感は傷跡を抉っていた
何重もの封を開けていく
 
引き出された加害者の顔
引き出された加害者の顔
 
 
読んだら眠れない黒い羊
黒い河を渡ってく白い象
 
 
 

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2006/10/14

空虚な強欲

061014


欲しい物を手に入れても
心からは流出してく感覚
躁でも鬱でも空っぽな頭
この喪失感は一体何なの
何故それだけ残ってるの

いくつものその場しのぎ
それでも生きていこうと
ときどきの満足や達成感
もっとともっともっとと
それが生きることならば


時間に追われるふりして
ゆっくりと蝕まれる浪費
躁でも鬱でも空っぽな頭
また欠落感を掃き拾うの
ただ埋める何かを捜すの

いくつものその場しのぎ
そうして生きていこうと
ときどきの満足や達成感
いつでもいつもいつでも
それが生きることならば


いつでもいつもいつでも
もっとともっともっとと
それが生きることならば



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2006/10/11

黒い螺旋

061011


俺は餓鬼過ぎた
しかも狡過ぎた
それを許してた
お前への仕打ち
 
後悔しても遅い
 
 
生れ変わった俺
お前がくれた姿
もう見せられぬ
消えた瞳と鼓動
 
闇に溶けたお前
 
 
俺は今でも問い
問い続けている
何故なんだ何故
 
俺は忘れられず
問い続けている
何故なんだ何故
 
黒い螺旋の悪夢
だれか答てくれ
答てくれないか
 
 
 
俺が消えたあと
いつかあそこで
二人は再会して
お前に訊けるか
 
尋ねられるのか
 
 
お前が変えた俺
見てくれるなら
また見せてくれ
大きな瞳と笑顔
 
黒に溶ける二人
 
 
俺は今でも問い
問い続けている
何故なんだ何故
 
俺は責め続けて
問い続けている
何故なんだ何故
 
黒い螺旋の悪夢
だれ一人いない
だれ一人答ない
 
 
俺は忘れられず
問い続けている
何故なんだ何故
 
黒い螺旋の悪夢
だれか答てくれ
答てくれないか
 
 
 

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2006/10/09

答え

061009


時の答えが
そんな乾いた金属音
袋に一杯の
それがすべての結末
あなた一体
本当に満足だった?

寂しさごと
残ったままの私達は
皺だらけの
手を包んでいるだけ


誰も救えず
いつも居ることだけ


海風が吹き
白く立ち枯れていて
みんな居る
裏山でじっとしてて
あなた全体
本当に満足だった?

寂しさごと
残ったままの私達は
皺だらけの
手を握っているだけ

寂しさごと
残ったままの私達は
皺だらけの
手を包んでいるだけ



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2006/10/08

償い

061008


あの誓いをたてなさい
お前の信じている彼の
いますぐに誓いなさい

誓いながら歩きなさい
鎖に絡まり歩きなさい

干上がってる灼熱の海


あの浜辺を歩きなさい
お前の記憶を全て広げ
いますぐに歩きなさい

歩きながら埋れなさい
歩き続けて埋れなさい

干上がっている血と涙


熱い海砂に埋れなさい
お前の罪の全てを晒し
いますぐに埋れなさい


お前の罪は全て吸われ
お前の罰は全て報われ
お前の骨は全て片割れ
お前は跡形もなくなる


あの誓いをたてなさい
お前の信じている彼の
いますぐに誓いなさい

誓いながら歩きなさい
鎖に絡まり歩きなさい

干上がってる灼熱の海



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2006/10/05

絶対零度

061005


圧倒的な彼は星を撒いて
届かない望みを与えてる
 
普通であることへの慰め
 
 
絶対的な彼は月を光らせ
苦みと痛みを溶かしてる
 
必要でないことへの労り
 
 
じわじわと理解させる罠
決して確認できない説明
圧倒的で絶対的で卑怯者
 
 
 
途轍もなく遠いところへ
行かなきゃいけないこと
 
皆同じだからという説得
 
 
途方もなく離ればなれで
本当は孤立していること
 
真実を透かし強いる納得
 
 
じくじくと膿んでいく脳
決して確認できない存在
圧倒的で絶対的で冷酷者
 
 
 

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2006/10/03

慈悲

061003


甘ったるい月夜に
森を抜けたところ
ぞっとする底なし
よどんだままの湖

訪れているその時
右足を浸していく
私はもう眠れない
私は彼を望んでる

引きずられる予感
左足も差し出して
私は彼のものです
私は無期限な有罪

私は幻想の末端で
私はひとり狂って
私は彼のものです
私は無期限な有罪

まとわりつく透明
這い上がってくる
私はもう眠れない
私は彼を望んでる

腰まで呑み込まれ
両足首を掴まれる
埋もれていく身体
それは私の晩餐会

私は幻想の末端で
私はひとり狂って
私はもう眠れない
私は無期限な有罪

やがて引き込まれ
底なしの底に滑る
その途中で窒息し
透明に満ちてく肺

つけたままの灯り
それを見上げてる
透明を通した夜空
私は彼のものです

散らかってる白骨
散らかしたのは私
私はもう眠れない
私は無期限な有罪



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2006/09/25

無限集合

060925


二つの螺旋溝を吹いて
二つの管に突つき入れ
二つの筋の隆起を掃き

一つの口に刺し絡める

そうして共有する混沌
その無限の瞬間の安心


二つの小麦粉を練って
二つの突起を撫で含み
二つの扇を際立たせて

一本の長い鎖をなぞる

そうして共有する暗闇
その無数の唯一の安全


二つの骨の隆起を噛み
二つのえくぼを確認し
二つの惑星を引き離し

一本の長い溝をなぞる

そうして共有する罪悪
その無色の透明の静寂


一つの窪みに鼻を付け
一つの尖り先端を掃き
一つの口に差し入れて

一本の短い溝をなぞる

そうして共有する空虚
その無我の混在の存在



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2006/09/17

祈り

060917


突然吸った息で目覚めて
首から落ちてく冷たい汗
温かい海に沈んでたのに
おまえはただ絞めてたね
 
はっきりしてる過去から
認めて背負ってきた罪悪
 
いつまででも祈ってやる
いきたい国へいけるよう
ぼやけてくおまえの手首
黒革をつけて引いてやる
 
 
白い薔薇の花だけでない
青いベッドの海で泳ごう
すべての復讐なら預けて
おまえの管すべて塞ごう
 
死んでまで愛してるなら
連れ去っていいこの本望
 
納得いくまで祈ってやる
なりたい物になれるよう
ぼやけてくおまえの足首
鎖につないで引いてやる
 
 
封印したおまえのせいで
残してく君だけのために
 
どこにいても祈ってやる
なりたい者になれるよう
人のする恋なんて捨てて
黒闇から指してやるから
 
いつまででも祈ってやる
なりたい者になれるよう
ぼやけたままの君の未来
黒い首輪引いてやるから
 
 
 

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2006/09/15

真夜中の星降る遠くの空まで

060915


君が素敵な結晶になってても
原子を掻き分け入っていって
君の球体の隙間を見つけたら
残った心に触れられるだろう

おなじ波の揺れを感じたから
おなじ心になろうとするほど
マリンスノーにさえぎられて

にぎった手首を引いてくから
冷たく底なしに堕ちていこう
真夜中の雪降る遠くの空まで

拾いにいくから漂っていてよ
どんなものになっててもいい
君を見るまで僕は死なないよ


生きてく事とそうじゃない事
そこにどんな境界があるのか
君に入ったつもりだったのに
僕はすっかり浸食されていた

おなじ波の揺れを感じながら
おなじ体になろうとするほど
ダークブルーにさえぎられて

からめてる指は離さないから
静かな底なしに堕ちていこう
真夜中の星降る遠くの空まで

拾いにいくから漂っていてよ
どんなものになっててもいい
君を知るまで僕は死なないよ


からめた足はほどかないから
真暗な底なしに堕ちていこう
真夜中の光降る遠くの空まで

拾いにいくから漂っていてよ
どんなものになっててもいい
君を抱くまで僕は死なないよ



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2006/09/13

満月が落ちるまで

060913


透明な容器の透明な水
揺れる水が落ち着く音
遺失物販売されてく傘
流れる雨が落ち着く先
 
山手線のホームと架線
二階にある自動改札機
大通りの少し先の路地
剥げた看板の歯科医院
 
銀のチェーンと圧迫感
革のチョーカーと金具
カーペットの白い染み
褶曲したシーツの模様
 
ふたりと何かを繋げて
どうにもできない気持
少しでも理解する人へ
 
 
堕ちる私達を見る彼ら
もうそんな事ないのに
土の地面を押さえてて
私達が浮ばないように
 
満月が落ちてくるまで
指をめり込ませていて
揺れる水が落ち着く音
落ち着く音が聞こえる
 
ふたりと何かを繋げて
どうにもできない気持
少しでも理解する人へ
 
 
この気持ちから私達は
逃れられない気がする
透明な闇に生えた羊歯
大きくなり過ぎた毛玉
 
土の地面を押さえてて
私達が浮ばないように
満月が落ちてくるまで
落ち着く音が聞こえる
 
ふたりと何かを繋げて
どうにもできない気持
少しでも理解する人へ
 
 
あなたの皮膚と温度と
抱擁を懐かしんだまま
満月が落ちてくるまで
指をめり込ませていて
 
 
 

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2006/09/12

インコグニトォズ

060912


空気にいる存在
部屋の戸にいる
部屋の窓にいる
部屋の隅にいる
透明な黒い存在

意識にいる存在
悪夢の中にいる
悪夢の色にいる
悪夢の音にいる
透明な黒い存在

引き摺り出して
正体を暴けない
逃げ足の早い奴


空気にいる存在
世界中どこでも
憑いて廻ってる
厄介で虚ろな奴
透明な黒い存在

意識にいる存在
怠惰の中にいる
倦怠の色にいる
逃避の音にいる
透明な黒い存在

そいつが誰かは
みんな知ってて
みんな知らない

透明な黒にいる
目玉も鼻も口も
何もない白い顔



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2006/09/11

静脈

060911


おまえという針が
静脈を刺し抜いた
痛みと悦びの混沌
 
浸透や感染は共感
狂っているのなら
狂ったままでいい
 
何れにしろ出す答
逢うのは簡単でも
逆は安定過ぎて嫌
 
 
自覚していなさい
言わなくても解る
自覚していなさい
言われたいことも
 
その時がくるまで
溜め込んでなさい
おまえ以外誰にも
言わずにおくから
 
 
 
ふたりの意識体が
この世界を彷徨う
闇の瞬間の連続体
 
圧力や強制すら愛
狂っているのなら
狂ったままでいる
 
何れにしろ出す答
いくのは簡単でも
逆は安定過ぎて鬱
 
 
自覚していなさい
理由で沈降しない
自覚していなさい
理由で鎮静しない
 
その時がくるまで
ぎりぎりの限りに
押し込んでなさい
 
おまえ以外誰にも
言わずにおくから
 
自覚していなさい
ずっと沈降しない
自覚していなさい
ずっと鎮静しない
 
おまえ以外誰にも
行わずにおくから
 
 
 

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2006/09/07

無色

060907


もがき吐き出したい嘘
裏返して洗浄しても黒
きらめく深く青い稲妻
 
腐り切って錆び落ちた
比重の違う金属の熱さ
きらめく深く青い稲妻
 
いっときかりそめの主
いっときかりそめの黒
いっときかりそめの神
さらに苦しくさせる犬
 
 
柔らかな厚さ重ねてた
深々と刺し込んだ矛先
きらめく深く青い稲妻
 
達すると同時に開いた
咽奥から絞り出す匂い
きらめく深く青い稲妻
 
いっときかりそめの主
いっときかりそめの青
いっときかりそめの神
さらに苦しくさせる猫
 
 
二人でなら行ける真空
深く眠る前に見る無夢
きらめく深く青い稲妻
 
 
 

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2006/09/05

逃げ水

060905


あなたの街で降りた電車
駅から延びる懐かしい道
あなたの部屋に繋がる坂
 
誰も居ないあなたの部屋
どこかに消えてしまった
どこかとても遠いところ
捜すこともできない空間
 
寂しくて渇いて求めてる
灼熱の砂を潤すオアシス
寂しくて渇いて求めてる
その辿り着けない逃げ水
 
 
 
あなたは消えてしまった
いつも先を歩いてた路面
あなたは同じ速さで先を
 
見上げてるあなたの部屋
風に揺れてた白いレース
窓から投げかけられた声
捜すこともできない空間
 
寂しくて渇いて求めてる
灼熱の砂を潤すオアシス
寂しくて渇いて求めてる
その辿り着けない逃げ水
 
 
 
あなたの街で乗った電車
なんでまた来たのだろう
何もできない焦燥と寂寥
 
誰も居ないあなたの住所
ずっと消せずにいるから
ずっといる気がするから
捜すこともできない空間
 
寂しくて渇いて求めてる
灼熱の砂を潤すアドレス
寂しくて渇いて求めてる
その辿り着けない飲み水
 
 
 
あなたの街で降りた電車
駅から延びる懐かしい道
あなたの部屋に繋がる坂
 
誰も居ないあなたの部屋
どこかに消えてしまった
どこかとても遠いところ
捜すこともできない空間
 
寂しくて渇いて求めてる
灼熱の砂を潤すオアシス
寂しくて渇いて求めてる
その辿り着けない逃げ水
 
寂しくて渇いて求めてる
灼熱の砂を潤すアドレス
寂しくて渇いて求めてる
その辿り着けない飲み水
 
 
 

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2006/09/03

オリエンタルホテル

060903


エレーナが選んでくれたもの
細いストライプの白いシャツ
薄いブラウンのヘアラインは
マンダリンなホテルでの休息

ケシキの森のモスコミュール
ライムに痺れるロシアの強情
ケシキの森のモスコミュール
椅子の脚だってまどろんでる


エレーナが選んでくれたもの
細かいチェックの濃紺のタイ
深いシルクの光るウェーブは
マンダリンなホテルでの倦怠

ケシキの森のモスコミュール
レモンに顰めるロシアの剛情
ケシキの森のモスコミュール
ソファーの膚だって弛んでる



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2006/08/29

妄想

060829


社会というより私が悪い
その自覚と反対の自己愛
その矛盾と納得のもがき
彼らの言葉に反応する嘘
 
墜落でひしゃげてく足首
黒い星空のアスファルト
必要とされている彼らが
不必要な私を言葉で嗤う
 
あなたの場所なら行ける
存在が必要とされる相互
眼も耳も口も鼻も塞いで
 
あなたの場所なら行ける
弁解なんて不必要な齟齬
穴も孔も坑も咽も塞いで
 
 
焦燥の憂鬱に取り込まれ
何も映らない瞳に映る月
どうぞ二人の空隙たちが
彼らに見つからないよう
 
あなたの場所なら行ける
浸透が必要とされる病気
液体でも固体でも詰めて
 
あなたの場所なら行ける
宝石なんて不必要な鋲器
金でもチタンでも詰めて
 
 
あなたの場所なら行ける
存在が必要とされる相互
眼も耳も口も鼻も塞いで
 
あなたの場所なら行ける
弁解なんて不必要な齟齬
穴も孔も坑も咽も塞いで
 
 
 

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2006/08/25

俺とお前

060825


俺は紺でお前は黒
俺は主でお前は従
 
 
俺は紺でお前は黒
俺は根でお前は谷
俺は痕でお前は刻
俺は昏でお前は哭
 
俺もお前も虚無感
俺もお前も空虚感
俺もお前も墜落感
俺もお前も欠落感
 
 
俺は主でお前は従
俺は手でお前は中
俺は種でお前は柔
俺は腫でお前は獣
 
俺もお前も絶対感
俺もお前も窒息感
俺もお前も抑圧感
俺もお前も抑鬱感
 
 
俺は紺でお前は黒
俺は主でお前は従
 
 
 

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2006/08/19

あなたにさようなら

060819


何も言わないあなた
そうして傷つけてる
その抱えてる暗がり
そこに堕ちて行く私
 
澱みはとても深くて
透明な黒に沈んでく
 
触れてた日々に別れ
あなたにさようなら
触れてた唇にお別れ
あなたにさようなら
 
 
わたしの中の子供を
愛そうとした日々を
掬い上げる物はない
そして堕ちて行く私
 
澱みはとても深くて
透明な黒に沈んでく
 
触れてた日々に別れ
あなたにさようなら
触れてた舌にお別れ
あなたにさようなら
 
 
何も言わないあなた
そうして傷つけてる
 
 
触れてた日々に別れ
あなたにさようなら
触れてた膚にお別れ
あなたにさようなら
 
 
 

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2006/08/17

白い国

060817


すぐ来るすぐ
苦く甘く苦い
内に堕ちてく
白い衣の波間
 
地上の堕天使
ここが白い国
地の天国の光
ここが白い国
 
 
ほっとしてる
自分愛自己愛
世界が堕ちる
白い脳の時間
 
地上の堕天使
ここが白い国
地の天国の光
ここが白い国
 
 
眠る深く眠る
兆しその兆し
内に堕ちてく
白い音の眉間
 
地上の堕天使
ここが白い国
地上の堕天使
ここが白い国
 
 
ここから天国
ひとりで逝く
ここだけ天国
ふたりで逝く
 
 
 

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2006/08/13

雨模様

060813


降り続き煙る
煙る煙る煙る
煙っていく街

白い灰に沈む
沈む沈む沈む
沈んでいく街

朦朧と霞んで
すべて霞んで
みんな霞んで

動く物すべて
ゆっくりして
粗い粒子へと

降り続き煙る
煙る煙る煙る
煙っていく人

みんな霞んで
みんな溶けて
みんな混ざり
みんな消えて
みんな白い灰

もう何もない
もう街もない
何も見えない
 
 
 

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2006/08/09

独り占めの音

060809


なんの色なんの熱なんの音
瞼に透け膚に通り耳に鳴る
泡のようなとても不思議な
ずっと感じていた不思議な
水球に包まれた漆黒の球体


それが全部で世界のすべて


なんの色なんの熱なんの音
体を回転させて確認しても
涙のようなとても不思議な
ずっと感じている不思議な
水球に包まれた透明な心体


それが全部で世界のすべて


なんの色なんの熱なんの音
瞼に透け膚に通り耳に鳴る
泡のようなとても不思議な
ずっと感じていた不思議な
水球に包まれた丸まった体



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2006/08/01

窒息

060801


息を詰めていなさい
様々な疑惑を溜めて
溜めて溜めて溜めて
肺にまで一杯にして

水の中で向き合って
あなたの前に座って
親指で顎の奥を上げ

喉をなぞった感触が
すべて吐き出す合図
取り消したい間違い
すべてすべてすべて


さあ吐き出しなさい



すべて吐き出したら


息を詰めていなさい
のぼせる血液のまま
この眼を閉じなさい
迫り来る白い白い白

頬が擦れている接近
あなたと一致した体
四本は頸を押付けて

巻き付いた感覚から
すべて生きてる実感
取り消せない間違い
すべてすべてすべて


さあ吸い込みなさい



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2006/07/31

封印した箱の中

060730


後ろ姿を見つける
そんなことだけで
幸せが湧いてくる

緊張で見つめてる
そんなことだけで
鼓動が震えてるの

たがいの瞳で話す
そんなことだけで
かなった夢のなか


いま

ゆっくりと動いて
小さな金色の歯車
二人の時の始まり



感じてること全て
何も言わなくても
どうしたら感じて

見ているもの全て
何も言わなくても
どうしたら見えて

たがいの瞳で話す
そんなことだけで
かなった夢のなか


いま

ゆっくりと動いて
小さな金色の歯車
二人の時の始まり


一緒にいる実感は
どうしたらもっと
浸透するのだろう

費やす時間の全て
どうしたらもっと
二人でいられるの


いま

ゆっくりと動いて
小さな金色の歯車
二人の時の始まり



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2006/07/21

あなたの腕で眠らせて

060721


透明な黒が話しかける
夜が来ると語っている
わたしの声で喋ってる

わたしは堕ちていると
わたしは堕ちていると


わたしを黙らせるよう
あなたの腕で眠らせて



毎晩でなくていいから
目を閉じあなたに縋る
あなたの声だけ聴いて

あなたも堕ちていると
ふたりで堕ちていると


わたしを黙らせるよう
あなたの腕で眠らせて



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2006/07/15

それは心臓

060714
 
 
わたしとあなたと
何が違うというの
 
わたしのと同じに
何度も激しくなれ
あなたのこの心臓
 
 
あなたを切り開き
強心剤を直接打つ
 
そうすれば動くの
わたしのと同じに
会うだけで激しく
 
 
優しく馬乗りして
あなたを切り広げ
強心剤を直接打つ
もう本当に諦めて
これでわたしの物
 
 
あなたを切り開き
強心剤を直接打つ
そうすれば動くの
あなたのこの心臓
 
 
あなたを切り広げ
強心剤を直接打つ
そうすれば動くの
あなたのこの心臓
 
 
 

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2006/07/13

バターエア

060713batter_air
 
 
からみつきカラミツキ絡み付く
粘った温度と湿度と窒素と酸素
 
とけだしてトケダシテ融け出す
砂糖の壁とチョコレートの屋根
 
家が融け車が融け人が融けてる
白い空気で融けて流れ出してる
白い空気で融けて混ざっている
 
 
みんな融けてる甘い匂いで一杯
 
 
からみつきカラミツキ絡み付く
白と黒と茶と赤と灰と緑と黄色
 
からみあいカラミアイ絡み合う
飴の窓に透けてるあなたも溶融
 
家が融け車が融け人が融けてる
白い空気で融けて流れ崩れてる
白い空気で混ざるバタースープ
 
 
甘い匂いだけの街は誰もいない
 
 
最後まで残ってる見渡す限りの
白い空気と甘黒いバタースープ
 
 
 

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2006/07/08

under the mad sun

060708under_the_mad_sun


頭上には狂った太陽
遥か下を覗いている
ぞくぞくと黒い冷気
とても落ちてみたい
我慢がならない誘惑
どこかで鳴った鍵盤

思った以上の加速度
木々のざわめきと緑
素晴らしい重力の愛
縮小を続けてる視野
直線と喪失の一体感
近づくアスファルト

眼を開けたままいる
夏の光きらめく路面
まだ眼を開けたまま
虹彩に反射する黒い
尖りが刺さっていく
漆黒にきらめく路面

まだ眼を開けたまま
見えないが視ている
網膜まで達したまま
強烈で絶対的な圧迫
逃れようのない方向
どこかで鳴った鍵盤



眼前できらめく漆黒
路面ではない透明感
凝らして視てる星々
頭上には狂った太陽
星屑の真空に漂う体
そうっと振り返った

透明な漆黒から浮ぶ
鮮やかな青い空と海
ゆっくり移動する雲
その下の緑と赤の地
酸欠で見た落下の夢
力を強める重力の縛

火粉を散らすスーツ
また力を強める重力
遥か下を覗いている
ぞくぞくと黒い冷気
拡大を続けてる視野
増していく息苦しさ

取り外すヘルメット
赤熱に包まれる顔面
捲れ立つ瞼の向こう
漆黒にきらめく星々
網膜まで達したまま
どこかで鳴った鍵盤



眼前できらめく漆黒
真空ではない実在感
凝らして視てる魚群
その眼に狂った太陽
光のない底へ沈む体
どこかで鳴った鍵盤

透明な漆黒へと沈む
木々のざわめきと緑
音楽教室の窓と横顔
鮮やかな青い空と海
酸欠で見た宇宙の夢
力を強める静寂の縛

外すレギュレーター
全てを吐き出した肺
遥か上を覗いている
ぞくぞくと黒い冷気
拡大を求めてる視野
増していく息苦しさ

取り外してるマスク
濃紺に包まれる両眼
鼻孔に注入される海
漆黒にきらめく星々
漆黒にきらめく路面
どこかで鳴った鍵盤



どこかで鳴った鍵盤



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2006/07/05

sink to the bottom of the sea

060705sink_to_the_bottom_of_the_sea


自由をください
部外者と呼んで
それが心の平安

わたしの狂気で
楽園は驚愕して
追放して闇の罰

この青い海底で
ただ衰弱してく
この黒い沈黙で
ただ細くなる芯

傲慢をどうにも
勝手をどうにも
欺瞞をどうにも
欲望をどうにも

この青い海底で
ただ衰弱してく
この黒い沈黙で
ただ細くなる芯

ここで彼に会う
この青い海底で
この黒い静寂で
この遠い意識で

彼は細くなって
彼は衰弱してく
彼は沈黙してく

この青い海底で
わたしは自由に
ようやく自由に



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2006/07/04

mechanism of the world

060704mechanism_of_the_world


あらゆる連鎖の均衡
なぜ、なんのために

植物、動物、共食い
掃除屋のバクテリア
そうしたサーキット
気味の悪い安定感覚

全ての命が叫ぶ問い
なぜ、なんのために
全ての命が待つ答え
彼が用意しているの


あらゆる反応の平衡
なぜ、なんのために

過渡、発振、不可逆
正のフィードバック
そうしても最後には
崩壊という安定状態

全ての命が叫ぶ問い
なぜ、なんのために
全ての命が待つ答え
彼が用意しているの


彼の実験装置の中で
対象に説明など不要



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2006/07/02

Lord has mercy

060702lord_has_mercy


彼の慈悲は果てしない
見たものがいないほど

じっと眠れないでいる
望みは彼だけになった

罪人の私を連れ去って
彼だけの所有物にして

幻想全てを終りにして
このまま生かしとくと

禁じられたことを犯す
ずっと狂ったままの私


罪人の私に深い慈悲を
彼の果てのない慈悲を
信じない者にも慈悲を


彼だけの所有物にして
原子まで粉々に砕いて

いたる所に居るけれど
居る必要のないように

じっと眠れないでいる
罪人の私に深い慈悲を

罪人の私を連れ去って
彼だけの所有物にして


彼の慈悲は果てしない
見たものがいないほど

いたる所に居るけれど
どこにも存在はしない



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2006/07/01

without saying good-by to me

060701without_saying_goodby_to_me


あの日なくしてしまった人
もう一度だけでも逢いたい
その気持ちまで殺したのに
この日になるとここにいる

今まで棄てて来た筈なのに
潰れた胸も忘れた筈なのに


あの日一人だけでいった人
もう触れることもできない
すべて殺してしまったのに
この日が来るとここに来る

時間が忘れさせた筈なのに
潰れた胸も癒えた筈なのに

いまさら何の意味もないし
どうしても逢えないけれど
今日だけ届いてると信じる



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2006/06/29

vanish into the dark side together

060629vanish_into_the_dark_side_together


冷たい闇
冷たい闇は青い黒
光の届かない海底
冷たい闇

冷たい闇
もう一度落ちる所
手を取合ったまま
青い必要

冷たい闇
心の中でする練習
愛でないとしても
冷たい闇

冷たい闇
光を見ずにいいし
音を知らずにいい
冷たい闇

冷たい闇
冷たい闇は青い黒い黒
もう一度落ちる所の黒
それが愛ではなくても
もう一度落ちると解る
互いに必要な安心の黒
冷たい闇



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2006/06/27

hard luck stars

060627hard_luck_stars


愛を知らない人が愛を熱唱し
交尾が恋だと思い込んでいる

金持ちが端た金を寄付したり
根拠のない健康法を実践する

死んでない人が輪廻を説いて
生前は覚えてないと嘯いてる

異国の貧困に手を差し伸べて
自国の問題には眼を瞑ってる

会ったこともない神様に祈り
見たこともない歴史を信じる

それを赦しそれを認め納得し
それが人間なら僕らは不運だ



愛さない君が愛をくれといい
都合の良い寂しさを紛らわす

思いやらぬ君が思いを求めて
都合の良い優しさを振り蒔く

与えない君が全て欲しがって
都合の良い主張だけ繰り返す

信じない君が自分だけは信じ
都合の良い論理を振りかざす

怖がりの君が刺激を追及して
都合の良い遊戯をもてあそぶ

それを赦しそれを認め納得し
それが人間なら僕らは不運だ

それを赦しそれを認め納得し
それが人間というなら不運だ

本当に僕らは不運な星の下だ



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2006/06/23

I'm looking through the keyhole

060623im_looking_through_the_keyhole


君の広げた唇の上に
中指を沿わせ撫でる

そんな

眼の前の距離ですら
遠すぎて届かない心


開いた唇から中へと
絡む肉厚に絡ませる

こんな

触れてる距離ですら
遠すぎて届かない心


閉ざされた唇に重ね
味わう柔らかな痛み

どんな

想ってる距離ですら
遠すぎて届かない心



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2006/06/17

Who will save your soul?

060617who_will_save_your_soul


まわりの人たちは皆
あんたよりましだと
お前もそれを認める

銀の鍵、錆びない鉄
願いは自分の快楽で
銀の桶、黴びない壁
願いは自分の健康で
安っぽいぬるい生存

嘘の後、救うのは誰
涙の後、救うのは誰
死の後、救うのは誰
自分ではないのなら
この後、救うのは誰


往き交う人たちは皆
平均よりはましだと
お前もそれを認める

尖る塔、冷たい椅子
祈りは自分の容姿で
光る窓、項垂れる像
祈りは自分の存在で

嘘の後、救うのは誰
涙の後、救うのは誰
死の後、救うのは誰
彼ですらないのなら
この後、救うのは誰



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2006/06/15

When did you two get together?

060615when_did_you_two_get_together


落下、落下、落下
そして水面に達し
まだ落ちる、まだ
やがて静かな均衡
そして水面に向う
浮上、浮上、浮上

貴女が欲しいのは
死、師それとも詩
貴女が欲しいのは
生、精それとも正

落下、落下、落下
そして地面に達し
まだ潰れる、まだ
やがて圧した均衡
そして空へと弾む
飛翔、飛翔、飛翔

貴女が欲しいのは
本当に欲しいのは
死、師それとも詩
生、精それとも正

それともすべての
自己愛と赦と許と
手に入れたいのは
階段の底にある宝



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2006/06/10

at the moonless night

060610at_the_moonless_night


街中の動物たちがいなくなった
街中の動物たちがどこかいった
犬も猫も鼠も烏もいなくなった
首輪とリードと小さな足跡だけ

月のない夜中に公園に集まって
月のない夜中に秘密に整列して
犬も猫も鼠も烏もしゃべらずに
ひっそりどこかいってしまった

砂場に皆の右足の跡が残された


月のない夜中に整然と集まって
月のない夜中に二足で歩行して
犬も猫も鼠も烏もしゃべらずに
ひっそりどこかいってしまった

砂場には皆の右足跡が揃ってる



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2006/06/08

Are we trying to kill ourselves for the sake of our dark side?

060608are_we_trying_to_kill_ourselves_fo


曲線を触れるその冷静に
有り得ない感覚が呼ばれ
未開の膚すら記憶される

従う無機質な箱の繋がり
次々と乗り轢いていって

同心円を晒してる切断面
あなたはそれすら冷静に
わたしはそれだけ無心に
取り上げて並べてる手足


貰った正常と与える狂気
破壊も拘束も偉大な存在
創られた部品を受入れる

星屑を巻いた高層の群れ
落下も浮上も理解しない

血溜りに浸っている肉塊
こういう風に造られてる
わたしはそれだけ無心に
ひとつずつ並べてる手足


同心円を晒してる切断面
あなたはそれすら冷静に
わたしはそれだけ無心に
取り上げて並べてる手足



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2006/06/06

remaining space

060606remaining_space


陽だまりの部屋
全部そのままで
残ってる二人分

こんなにも突然
失って気づいた
もう一つの空間

いつでもお前の
笑ってる顔と声
夢から消えない


駅の人ごみの中
ふと見かけても
よく似た別の人

おんなじ電車は
おんなじ混雑で
おんなじ無関心

それでもお前の
怒ってる顔と声
胸から消えない


離れても感じる
愛という喪った
温かだった想い


陽だまりの部屋
顔を包むように
ふいに通った風

逢えないことも
見えないことも
空隙を生むだけ

いつでも二人の
笑ってる顔と声
夢から消えない



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2006/06/04

he is in the mountain

060604he_is_in_the_mountain


誰も感じてくれなかったこの感覚
曇り空の福音は何色をしているの
人ごみで聞こえてくる黒い雑音は
重なる感情なの視線なの鼓動なの

圧倒的な無機物との対峙だけしか
私のノイズを消すことはできない
それが信仰と言うのなら神はいる
それが至福と言うのなら神はいる

それが信仰と言うのなら


誰も感じてくれなかったこの感覚
梅雨空の福音は何色をしているの
閉じ込められてる箱の黒い雑音は
重なる悪意なの瞬きなの脈拍なの

圧倒的な無機物との対峙だけしか
私のノイズを消すことはできない
それが信仰と言うのなら神はいる
それが至福と言うのなら愛はある

それが信仰と言うのなら



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2006/06/01

let me know how to live my lives

060601let_me_know_how_to_live_my_lives


たくさんの人々
すべて覚えてる
何度死んだのか
何人死んだのか

鳥で蝸牛で水牛
飛び這い駆ける
何度死んだのか
何匹死んだのか

理解不能な理由
こんな世界の中
閉じ篭った宇宙
輪廻してる疲労

気持悪い無意味


たくさんの人々
すべて覚えてる
何度死んだのか
何人死んだのか

魚で毛虫で白象
跳ね蠢き踏んで
何度死んだのか
何匹死んだのか

意味不明な神々
こんな意識の中
閉じ篭った無限
輪廻してる疲労

気持悪い不気味


たくさんの人々
すべて覚えてる
誰も知らない私
誰も知らない私

不公正で不親切
こんな世界の中
閉じ篭った宇宙
輪廻してる疲労

気持悪い無意味



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2006/05/31

trash rashly

060531trash_rashly


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2006/05/29

all I've known

060529all_ive_known_2


この瞬間に止っても怖くない
彼の完璧さを理解できたから

しなやかな十指に包まれてる
あなたの生のすべてを慈しむ
鼓動は破裂まで雑音を奏でる

あなたの魂に触れてれば安全
あなたの瞳に溺れてれば全部

ふたりは此処にいてもいいの
すべての回転が凍りつくまで
膨張した太陽に飲み込まれて
海底が干上がってしまうまで


あなたに縋り切っているから
あなたの心しか知らないのに

あなたの一部分になっている
その細胞にまで浸潤している
これこそが本当の意識の平安

あなたの魂に触れてれば安全
あなたの瞳に溺れてれば全部

ふたりは此処にいてもいいの
すべての回転が凍りつくまで
膨張した太陽に飲み込まれて
海底が干上がってしまうまで


完了
了解
解脱
脱圧
圧迫


ふたりは此処にいてもいいの
すべての回転が凍りつくまで
膨張した太陽に飲み込まれて
海底が干上がってしまうまで

ふたりは彼を待ち続けている


ふたりは此処にいてもいいの
すべての回転が凍りつくまで
膨張した太陽に飲み込まれて
海底が干上がってしまうまで

ふたりは彼を待ち続けている
ふたりは彼を待ち続けている



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2006/05/28

they're all dismal sound

060528theyre_all_dismal_sound


目覚めてもまた悪い夢
ぼやけた場所に座って
逃げ続ける方向を視て
生きる方法をねだって

足首にすがりつく手首
激しく呼吸したい肺臓
そして水から飛び出し
ひと時の引き摺る安息

あらゆる交差点に居て
あらゆる場所に隠れる
そして捕まえられない
彼らはみんな自分の陰

みんな自分の陰だから


目覚めてもまた悪い夢
誰も自由な人はいない
誰も逃げる方向を視て
生きてく方法をねだる

足首にすがりつく手首
激しく脈打ちたい心臓
そして水から飛び出し
ひと時の引き摺る安息

あらゆる交差点に居て
あらゆる場所に隠れる
そして捕まえられない
彼らはみんな自分の陰

みんな自分の陰だから


今も苦しくて辛い意味
今も伸ばし続ける意味
早く早く隠れて下さい
彼らに捕まってしまう

足首にすがりつく手首
激しく取入れたい鼻口
そして水から飛び出し
ひと時の引き摺る安息

あらゆる交差点に居て
あらゆる場所に隠れる
そして捕まえられない
彼らはみんな自分の陰

みんな自分の陰だから
早く早く隠れて下さい
彼らに同化される前に



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2006/05/25

Is God your pal?

060525is_god_your_pal


あなたは彼の名を呼ぶ
あなたは彼の仲間なの
あなたは彼の名を呼ぶ

あなたの気持が震える
あなたの罪の意識なの
あなたの気持が震える

誰かを必要としている
約束は必要でないのに
誰かを必要としている

皮膚に横たわりなさい
水に侵されていく感覚
わたしの舟は沈むから

脳でよく視ていなさい
差し込む光の煌めきと
音のない下降の安定を

手を届かせようとする
それで掴んでる哀しみ
脳でよく視ていなさい

豊富なほど知識は空虚
下らない自尊心の欠片
基準ない不必要な容姿

皮膚に横たわりなさい
水に侵されていく感覚
わたしの舟は沈むから



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2006/05/23

flight after rebirth

060523flight_after_rebirth


透明な黒に現れた銀河
酸欠の心地良さに見た
青さに舞い落ちる星屑

俺を中心に回転する布
酸欠の心地良さに見た
その肌に存在した星団

似た温度の意識がいた


透明な黒に現れた銀河
それを求める俺の全身
青さに散らされる星屑

何かに誘っていく飛行
それを求める俺の全身
その肌に存在する星団

これこそお前の温度だ


お前は強い海流を示し
まといながら飛翔する
俺はお前と宇宙になる

哀しくて幸せな時間に
酸欠の心地良さに見た
あのお前の意識と温度


引き上げられた肉体は
強烈な太陽の船の上で
だらしなく衰弱してた

それでもまたかならず
またかならず哀しみに
また会いに来るだろう


そのとき蘇生は不要だ



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2006/05/22

it's exactly what I need

060522its_exactly_what_i_need


俺は着いたよ
ついにお前の
これがお前の

濃青の水中で
白泥の珊瑚が
ゆっくり舞う

涙は声になり
拡散して昇る
ここにいるよ


俺は着いたよ
ついにお前の
これがお前の

濃青の水中で
白泥の珊瑚を
ゆっくり握る

声は泡になり
分裂して昇る
ここにいるよ

極限の静けさ
ともにいよう



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2006/05/20

How dare you do this to me!

060520how_dare_you_do_this_to_me


歯が痛い
鼻が痛い
眼が痛い

痛い痛い痛い
痛い痛い痛い
どうしたんだ
どうしたんだ

脚が痛い
膝が痛い
腰が痛い

痛い痛い痛い
痛い痛い痛い
どうしたんだ
どうしたんだ

指が痛い
手が痛い
肘が痛い

痛い痛い痛い
痛い痛い痛い
どうしたんだ
どうしたんだ

頭が痛い
胸が痛い
胃が痛い

痛い痛い痛い
痛い痛い痛い
どういう事だ
どういう事だ

僕が痛い
君が痛い
心が痛い

痛い痛い痛い
痛い痛い痛い
そういう事か
そういう事か



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2006/05/18

I've got no place to go

060518ive_got_no_place_to_go


底が見えて来た
お前の心の底が
本当の青い棚に

底が見えて来た
ここからお前の
意識が泡となり

底が見えて来た
ここからお前の
言葉が浮上する

無数の白い泡が
全身を洗ってく
語りかける破裂

その泡をくぐり
その泡に混ぜて
俺の吐いた言葉

居場所を探して
世界中を巡った
その最後の土地

お前はこの俺に
本当の青い棚を
用意してたのか

底が見えて来た
お前の心の底で
二人で震えよう



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2006/05/16

see you later

060516see_you_later


暗い道標の先は絶海
構わず進もうとする
右へ曲がれよと君は

いずれにしても暗闇
だからしたいように
好きにさせてくれよ

皮膚は麻痺している
助かることとその逆
実はたいした違いは

無機質に還ることも
どうでもいいことだ
珊瑚の欠片を拾って

暗い道標の先は絶海
一人で進もうとする
右に曲がった君とは

も一度逢える日まで
青い海底で待つから
お先に失礼しとくよ



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2006/05/15

What's the stream of consciousness?

060515whats_the_stream_of_consciousness


俺のニューロンを
怒りが流れていく
悦びが流れていく
快さが流れていく
哀しさが流れてく

微小蛋白質が曳く
トロッコに乗った
極小蛋白質の伝搬
生まれた電気信号

額を付け合ったら
お前の脳回路にも
波になった信号が
伝播して融け合う


俺のニューロンを
怒りが流れていく
悦びが流れていく
快さが流れていく
哀しさが流れてく

導電性の有機紐を
その表面に張付け
ゆっくり移動する
俺の意識の数々達

瞼を付け合ったら
お前の視神経にも
波になった妄想が
刺激して溶け合う

水滴しか音のない
小舟で絞めながら
互いに電子を受け
解けた妄想を視る



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2006/05/12

nothing in nature stands still for a moment

060512nothing_in_nature_stands_still_for


遠くの潮のざわめき
荘厳な砂と鏡の夕日

それを見た染まる瞳
空に浮かぶ帆船の光

ぬめり空を行くヒレ
遠くの潮のざわめき


ストローで飲む色彩
ゆっくりとした空気

絡み付いた両手の指
捕捉された冷たい汗

早い鼓動だけの存在
遠くの潮のざわめき


そのなだらかな移動
東から喪っていく青

一点から広がる波紋
泳いでる生やすヒレ

まだ鳴いてる猫の眼
遠くの潮のざわめき


遠くの潮のざわめき
遠くの潮のざわめき
遠くの潮のざわめき



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2006/05/10

you love my shape

060510you_love_my_shape


喰え喰え喰い千切れよ
腹に喰らいつきやがれ
腸を引き摺り出しなよ
ぶんぶん頭を振り回し
ばくばくと喰えばいい

俺の形が残らないよう


絡んだ内蔵を千切れよ
手も足も持って行きな
凝った血塊を丸呑めよ
心臓まで鼻を突っ込み
筋肉や血管も歯に絡め

俺の形が残らないよう


頭を噛み砕いて行けよ
面を引き剥がしやがれ
髪もごっそり飲みなよ
両眼にも歯を突き立て
気が済むまで好きにな

俺の形が残らないよう
俺の心が残らないよう

それが俺の復讐だから



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2006/05/09

dishonest vertical stripes

060509dishonest_vertical_stripes


どちらがタテシマ
どちらがヨコシマ

たとえば魚と
たとえば馬で
違いはあるの

縦縞と横縞の違い
どこで見分けるの


どちらがタテシマ
どちらがヨコシマ

たとえば男と
たとえば女で
違いはあるの

眼や腹や背中かな
邪を見分けるには



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2006/05/07

dispersion of the Gospel

060507dispersion_of_the_gospel


わたしの意識が
最後に見た映像

溶けていく体が
最後に感じた光

あなたが刺さり
拡散していった

その量が莫大で
わたしは最後に


あなたになった


隠された望みは
いま晒されてる

明確な境界線は
存在の意味すら

あらゆるものの
構造を体得して

その次の展開は
雲の跳躍に依る



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2006/05/06

in the center of the edge of the world

060506in_the_center_of_the_edge_of_the_w


白とオレンジの砂が作り出した
ピンクはパステルブルーに湿り
青に洗われた重さの違う縞模様

埋められているお前の姿を探す
どこまでも掘って掘って掘って

この世の果ての中心で探してる


白とオレンジの混ざらない砂は
ひとつぶ一粒が生き物の丸い殻
それだけで作った果てしない浜

埋められているお前の姿を探す
どこまでも歩いて歩いて歩いて

もう此処にしか残された場所は


白とオレンジの混ざらない殻は
こんな辺境の楽園に降り積もる
気が遠くなる程数え切れない数

漂着したはずのお前の姿を探す
どこまでも掻いて掻いて掻いて

この世の果ての中心で探してる



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2006/05/05

the strains of an instrument drifted in

060505the_strains_of_an_instrument_drift


おまえの腰椎に残る傷
突き刺した見えない針
その中枢を手探る鞭毛

探り当てた神経の手綱
注入した薬と毒の効果
その気づかれない麻痺

自覚を忘れられる操作
沿って設置してく球体
その記憶されない孵化

必須な共生は闇の共感


おまえの心理に疼く傷
たくさんある螺旋の穴
深層が喰い破った結末

装着する金具持つ手綱
朦朦とするおれの意識
その先にある軋む黒輪

自覚すら忘れてる操作
空隙を埋めていく球体
その記憶されない孵化

許していく共生と共感



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2006/05/04

the real situation dawned on me

060504the_real_situation_dawned_on_me


死んだはずのお前が
俺の禁止した両手を
お前の首筋に導いた

殺したはずのお前が
俺の封印した誘惑を
夢中で開放していた

されるがままにして
抗えないままにして
両側の圧迫とそれを


俺の中で死んだお前
こっそり蘇ったのか
指先で鼓動を感じた

俺の中で殺したお前
ひっそり戻ったのか
両手で脈拍を感じた

数秒間の拘束行為が
永遠の白い到達感と
安息の青い一体感を


夢の辺境にいながら
いまごろ気づいたよ
したかったのは俺だ



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2006/05/03

in the bottom of the pass which connects the lagoon and the ocean

060503in_the_bottom_of_the_pass_which_co


変えられるというなら
その試験をするだけで
ここから抜け出せると

眼に見えないものすら
客観視する液の滴から
浸透していくものへと

貴女と違う手段と目的
なのに通過し似ていく
縫合された状況と意識


三つの検査が目標すら
決めてしまうというの
優しくて苦しい占いで

あまりにも大きな課題
姿さえつかめないなら
青い闇に隠しておいて

貴女と違う手段と目的
なのに通過し似ていく
縫合された状況と意識


眼に見えないものすら
客観視する液の滴から
体を巡る無機物の群れ

酸素と窒素と鉄が掴み
そのさざめきを届ける
それでようやく二人は

貴女と違う手段と目的
なのに通過し似ていく
縫合された状況と意識


何度も惹かれ合う原因
間違いでも正しい結果
認めてく状況と意識で

あの海底に二人で行き
両手で絞めていくから
ゆっくりと食べなさい

それでようやく二人は
変えられるものを変え
考えず安心できるから



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2006/04/27

Don't let me down

060427dont_let_me_down


俺は真面目に働いて税金を納める
税金で喰ってる国民の僕のはずの
サービス業の役人はこう言うんだ
 
「俺はお前だけの僕ではない」と
それで誰にもサービスしないんだ
「納税者全員の僕なのだから」と
結局は誰にもサービスしないんだ
 
狂ってるぜお気楽に笑わせるなよ
 
 
彼女も今まで働いて税金を納めた
税金で喰ってる国民の僕のはずの
サービス業の議員はこう言うんだ
 
「政治はお前だけに動かない」と
それで国民にサービスしないんだ
「全国民の政治家なのだから」と
国が笑い者にされてもそのままだ
 
狂ってるぜお気楽に笑わせるなよ
 
 
俺は自分で自分ををサービスして
彼女は個人で外交しているなんて
 
 
狂ってるぜお気楽に笑わせるなよ



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2006/04/22

the cloverelaves and the tiare petals have something in common

060422the_cloverelaves_and_the_tiare_pet


三枚、もしくは
四枚、あるいは
五枚、まれには
六枚、すなわち
二枚ではない葉
 
そういう遺伝子
そういう多様性
その意はどこに
 
蟻の足音が呟く
 
 
五枚、もしくは
六枚、あるいは
七枚、まれには
八枚、すなわち
四枚でない花弁
 
そういう遺伝子
そういう多様性
その意はどこに
 
蜂の羽音が囁く
 
 
おこがましくも
真意を探るなと
あつかましくも
身勝手な知識と
傲慢な納得から
それを解るなと
 
空の風音が嘯く
 
 
 

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2006/04/15

a sign of something

060415a_sign_of_something


三角柱の水槽には
シャコガイの殻と
青黒い海藻が繁る

立方体の水槽には
ごつごつした岩と
黄緑の水草が伸び

円筒形の水槽には
珊瑚を砕いた砂と
細く赤い藻が揺れ

青暗い水族館の中
俺は一つまた一つ
水槽を覗いていく

次こそ何かの魚や
甲殻類や海獣など
泳いでいないかと


分厚いアクリルの
仕切壁の向こうは
氷山を模した塗装

アーチ形の通路の
真上より向こうは
晴天を真似た色彩

S字曲面の構造は
水面すら見えない
大量の水を湛える

冷たい水族館の中
俺は一歩ずつ進み
慎重に確認してく

そちら側ではなく
こちら側で感じる
気配に怯えながら



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2006/04/14

eternal affection of silence

060414eternal_affection_of_silence


そう俺は死んでいる
死んでると感じてる
死んでしまっている

いつ死んだのだろう

漆黒の透明な闇から
虚無に取り残されて
気配と同化した時か

天の濃青色に向って
俺達と垂直の階段を
登って行った時にか

白壁にへばりついて
真上にいた雪塗れの
未来の俺を見た時か

天候が悪化した時か
山頂を目指した時か
あるいはもっと前か



息を吸えないでいる
息を吐けないでいる
全てが停止している

いつ死んだのだろう

透明な存在のままで
冷たい海底に漂って
あるいはじっとして

拡散し混練した先は
降り積もった海雪の
深海の底だったのだ

濃青色は深い海の色
漆黒にあった星屑は
深海魚たちの眼と鱗

いくつもの夏と冬が
俺の有機物を霧消し
無機物に残留した心



それがイオン化して
谷川に乗り海水へと
流れたかも知れない

いつ死んだのだろう

あるいは登山でなく
海で溺れて深底へと
沈んだかも知れない

いまとなってはもう
全てが混沌に揉まれ
上も下も分からない

雪山で死んだにしろ
深海で死んだにしろ
どうでもいいことだ

そんな俺でもお前は

お前はまだ待ってる
待っていると感じる
待ってしまっている

もう忘れてしまいな
お前に漆黒の静寂は
全く似合わないから



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2006/04/12

the passage of a parade

060412the_passage_of_a_parade


天空の濃青色から
やがて透明な黒へ
変化して行く周囲

すでに太陽や月や
外惑星達も小さく
遠くへと去った点

星の渦塊すら離れ
宇宙の原初なのか
終末なのかすら謎


光と言えば星屑が
ちらちらとしてる
唯それだけの世界

漆黒の透明な闇が
俺達を包み込んで
ふっと気付いた時

未来の俺は見えず
過去の俺も消失し
完全に俺はひとり


虚無に取り残され
何者かの絶対的で
圧倒的存在の気配

至福の絶望感から
絶頂の墜落感へと
それが哀しい予兆

宙の唯一の物へと
拡散して混練され
それが嬉しい予感


より信じる方向へ
取り込まれ存在し
透明へと同化した



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2006/04/10

to the diffusion after the failure of existence

060410to_the_diffusion_after_the_failure


俺はいや俺たちは
上へ上へと登って
どこまでも登って

やがて霞も吹雪も
全てが消え去って
青空の中に連なる

無数の小さな俺達
俺達だけになって
青一色に溶込んだ

雪も岩も雲も山も
いつの間に山頂も
ずっと下にある点

それでも俺はまだ
俺に押されるよう
俺達が押すように

上へ上へと登って
どこまでも登って
益々濃くなる青へ

天空の濃青色へと
濃青色へと入って
無心になっていた

下の俺は過去の俺
上の俺は未来の俺
登り切った先は何

それが知りたくて
知りたくはなくて
上へ上へ登ってる



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2006/04/08

infinite sequence

060408infinite_sequence


白い世界の真ん中で俺は
雪塗れの変成岩でできた
垂直な階段を登っていた

単調な動作が落ち着きを
徐々に取り戻させていく
ふと見上げる俺の真上で

右足がすっと白の中へと
溶け込んでいくのを見た
ひとつどきんとする心臓


俺は慌てて追い付こうと
懸命になって登っていた
やがて眼前に左足が見え

屈めた右足から上半身が
乳白の靄からふと現れた
どこかで見た格好の男だ

そのときこちらを向いた
雪の凍り付いた髭男の眼
俺と眼を合わせたとたん


嗚呼と口を開け白い息と
聞こえない耳が聞いた声
この髭男は俺じゃないか

その時男は更に俺の下に
視線を移し驚愕の表情へ
つられるように振り返り

真下でこちらを見上げる
俺を口を開けて見ていた
そして更に下へと連なる

無限の俺のいや俺たちの
よじ登る蟻のような姿が
全て見えていたのだった



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2006/04/05

white light

060405white_light


山頂へのアタックには最高の青空
そこに一片の雲が混じった時から
単独登頂を目指す俺に不安な兆し

急激に変り始めた天候に毒づく時
垂直の氷に這いつくばり少しずつ
少しずつとじりじり上昇していく

急速に猛烈な嵐へと変化したから

登っているのか堕ちているのかも
何に捕まっているのかいないのか
上も下も判らない白い世界に残り

聴覚も味覚も触覚も嗅覚も奪われ
白い静寂の中で俺は信じる方向へ
ゆっくりとだが唯々前進していた



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2006/04/03

silver mad

060403silver_mad


近づかない雪の山脈に囲まれた盆地の
どこまでも続くかと思われた直線道路
ようやく見えた銀色ドームが反射する

こんな地の果てで行われてた悪魔行為

たくさんの権威ある研究員の出迎えは
その白衣さえ白々しい寒さで頬を打つ
厳しい検査で許される入域は銃口の先

こんな地の果てで行われてた悪魔行為

ドーム周りは混乱した銀色の管が絡み
その節々にある弁とハンドルだけ赤錆
管の中はかつて液体だった銀色の金属

こんな地の果てで行われてた悪魔行為
それを今眼の前にして冷静で在る狂気



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2006/03/19

グリタァ

060319


気がつくと真っ暗闇だった。いやそれは本当に暗いのか
眼が塞がれてるだけなのか、初めは解らなかったけれど

どうしてこうなったのかは、もはやどうでもいいことだ
いまさらこの宙の果てまで、誰も手を差し伸べられない

そのとき俺の頭上に落ちる、赤く渦巻くひとつ眼を見た
天空はそいつの顔で一杯だ。圧倒的に巨大な縞の大天体
遮蔽ガラスの内側で毒突く。この太陽のなり損ないめが



俺は火山と氷の衛星にいた



小さな重力と遠くの太陽が、何かの感覚を狂わせていき
俺はひとつ眼に魅入られて、帰りの酸素まで消費してた

なぜ気づかなかったのかは、もはやどうでもいいことだ
いまさらこの宙の果てまで、酸素を運ぶことはできまい
暑さと酸欠から来る朦朧で、珊瑚の海を思い出していた

あのとき俺は底なしの海を、遥か頭上にきらめく海面を
その間で遊ぶ海豚の群れを、眺めていただけだったのに

俺は深淵な青に魅入られて、帰りの酸素を消費していた
透明な青い世界の真ん中で、ぞっとしたまま漂っている


気がつくと真っ暗闇だった。いやそれは本当に暗いのか
眼が塞がれてるだけなのか、あるいはもう死んでるのか



早く誰か教えてくれないか?



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2006/03/16

プレイス

060316


私の標は湖底の砂の下
そこは冷たく何ひとつ
そこは暗くて温度さえ

春に上層の魚が踊って
夏に水中まで陽が差し
秋に水面に紅葉が落ち

それは何の関係もなく
それは何の変化もない
私の標は湖底の更に下

冬に降り続く雪だけが
私の標にまで舞い堕ち
私の標を凍らせていく

全て強固へと変化して
それは標をより孤独に
人間の欠片も凍らせた



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2006/03/11

ラインズ

060311


人の心を傷付けて
のうのうと生きる
そういう類いの奴

その絶望的な奴は
どうやって罰する


平行線とは絶対に
交わらないなどと
嘯いて逃げる奴は

人の心を抉り出し
平然と生きている
そんな奴許せるか

その無神経な奴は
どうやって罰する


好きな女を罰して
自分を罰した気に
なっているだけだ

人の心を傷付けて
のうのうと生きる
俺はそういう奴だ

この無意味な奴は
だれが必要とする

キラメキの平行線
それで自ら画面を
黒くするしかない



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2006/03/10

イクスチェンジ

060310


足の裏を切ってく
何を踏んでるのか
足の裏が切れてく

足の裏から流れる
だらだらと流れる
ざまをみろこれが

これがおまえの罰
流れる血は土へと
土へと染み込んで

染み込んで忘れる
犯した罪の深さを
切った傷の深さで

傷ついた心の亀裂
傷ついた体の亀裂
それが等価な訳か

ざまをみろこれが
これがおまえの罰
罰だったとしたら

最悪に卑怯な奴だ



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2006/03/08

アビス

060308


少しの罪悪感と多くの好奇心でできた皮袋
大小の皮袋が光と影の絵画を眺めていく時
あるいはブロンズ像の羅列を追い抜く場所
同時に深淵の底にも存在しているのだから

少しの既視感と多くの羞恥心でできた小舟
大小の皮袋が熱と水の音楽を歌っていく時
あるいは重なる波紋の速度を追い抜く場所
同時に深淵の底にも存在しているのだから

少しの征服感と多くの被虐心でできた皮膚
大小の皮膚を擦り合わせ吸い付けていく時
あるいは肉厚同士の絡まりを更に吸う場所
同時に深淵の底にも存在しているのだから



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2006/03/07

ベイグネス

060307


見知らぬ街で見知らぬ電車に乗った
腰掛けた人も吊り革の人も知らぬ顔
いや顔自体がなかったかも知れない

曖昧なまま曖昧に発車していく電車
ゆっくりと曲がりながら坂を登って
曖昧なまま曖昧な次の駅を目指して

ゆったり揺れるのに忙しげな電動機
その曖昧な音階が眠気を掻き立てる
気がついたら皆降り運転手もいない

駅もないところに取り残された電車
来たレールは曖昧なのに先へと続く
レールだけはっきり闇に浮かんでた



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2006/02/18

エタモラジィ

060218


星の下煌めく結晶の群れと
石と硝子と石灰の塊の中で
たくさんの浮かぶ小さな湖
そのひとつで遊んでる水鳥

白く細い曲線を突き出して
ふたりの卑しい勇気を試す
両手をゆっくりとまきつけ
沈みながら沈めたい欲望は

もう飛ぶ気も失せてるから
なまぬるくなるまで静かな
空中の湖底に漂ったままで
耳をすませじっとしている



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2006/02/17

インクラネイション

060217


感じるだけで考えない葦
瞬間の判断は論理ない証
状況に溺れる懲りない私

起ち枯れた茎に火をつけ
完全に灰にして殺しても
罪に問われることはない

生きながら死んでるから


体だけ老化する子供の葦
快楽と怠惰は努力ない証
実は理由も必要もない私

子供が子供を産む現実は
否定された進化論の体現
遺伝子は際限なく写され

生きながら死んでるだけ



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2006/02/06

ミクスチャ

060206


鏡を覗き込んで
顔に自分を重ね
心の場所を探す
深く沈むために

水底にはなにも
さえぎるものも
さえぎる理由も
謎ではないから

目を閉じてみて
唯感じ理解して
こちらが現実で
夢ではないから

あなたの中のわたしと
わたしの中のあなたと
現実の向う側を視てて
底まで深く沈むために



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2006/02/01

クリスタル

060201


二酸化硅素の中に集めた水蒸気
マグマから分離して閉じ込めた
やがてすっかり冷え切った結晶
せっかく二つに分けられたのに
 
水と気体は閉じ込められたまま
永遠に出ることは叶わないけど
ゆらゆらな水面を漂わせたまま
気体とだけ戯れ永遠に満足なの
 
二度とひとつにならないとして
永遠に出ることは叶わないけど
それでも密閉に横たわったまま
視覚だけ奪われ永遠に満足なの
 
それで全てを了解してるのなら
それが全てを満たしてるのなら
永遠に密閉に横たわったままで
ゆらゆらと戯れるために往こう
 
 
 

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2006/01/29

サプリメント

060129


わざと薄暗くした部屋
地下街で買ったライチ
皮を剥いて君と啄んだ
零れる果汁を滴らせて
一つの実を君と啄んだ

君も僕も肉厚も全てが
灰色の立方体の中心で
膚を剥いて啄み合った
零れる粘汁を尖らせて
一つの実を二人啄んだ

君も僕も肉厚も全てが
灰色の立方体の中心で
同じ味になっていって
断続的な永遠の行為で
互いの実を啄み合った

青空の下の密閉空間で
似た者同士は一体何を
補完し合ったのだろう



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2006/01/28

セル

060128


何もなくなった立方体の中心に
ふっと漆黒の球体が浮かんでる

悪魔の力で固定され
僕は動かせないけど
触れる気も起きない

この部屋に一体何が起きたのか


何もなくなった立方体の六面は
本当に透明な窓だけになってる

景色は全て映り込み
消し忘れ去ったけど
描直す気も起きない

この部屋に一体何が起きたのか


何もなくなった立方体の中心に
そっと浮かんでた漆黒の球体は

いつの間に何者かが
抱き連れ去ったけど
取戻す気も起きない


この部屋に一体何が起きたのか
僕は孤独にずっと考え続けてる



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2006/01/24

ロス

060124


月あかりが凍った滑走路に浮かび
舞い上がった翼も照らしてるのに

染み込んだ温もりだけが欠落して
本当にあのときと同じ風景なのに

どうして一人で行ってしまったの
何も言わずその煙と私だけ残して

そのたび驚いて振り返る私だけに
いまでも温かい流体とその香りが


いつの日か私も月光を浴びながら
あの空に飛び立つのだろうと思う

今夜も暗い部屋のままにして待つ
ふっと優しく漂うことがあるから

どうして消えてしまったんだろう
ずっと想い続けたら取り返せるの

今夜も暗い部屋のままにして待つ
そっと仄かに漂うことがあるから



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2006/01/19

コンフェッション

060119


ピンボケ写真に表情はなかった
確かにお前のかけている眼鏡に
ダンボールでできた小さな舞台


こんなに早く
こんなに白く
こんな小さく
なりやがって


お前の絶望が仄めかしたメール
冷酷な俺は気づかずに放ってた
あれ程明るいお前が抱えた漆黒


こんなに早く
こんなに白く
こんな小さく
なりやがって


お前が愛した唯一のひとだった
堕ち転がった体を最初に見た女
それが全身を斬りつけ得た選択


こんなに早く
こんなに白く
こんな小さく
なりやがって


毎日をのうのうと過ごしていた
受け止めることすら気づかずに
お前が抱いてた闇と嫉妬と悔恨

それ迄会いに行かないつもりだ
越えられる物と証明するまでは
それが俺からお前への手向け花



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2006/01/16

レビテーション

060116


漂っている
お前の上を
漂っている

煙みたいに
漂っている
煙より透明

俺の投げ捨てた祈りはお前に届いたの?

解るだけで
煙みたいに
解るけれど

伝えられず
解るだけで
伝わらない

俺の撃ち突けた願いはお前に届いたの?

存在しない
伝えられず
存在がない

体ないから
存在しない
体なくした

俺の打ち刺した軋みはお前に届いたの?

感じるのに
体ないから
感じてない

意志もない
感じるのに
意志はない

だからもうお前を見守るだけの存在で

漂っている
お前の上を
漂っている

煙みたいに
漂っている
煙より透明

俺の投げ捨てた祈りはお前に届いたの?

それだけ胸に抱いたままお前を見守る



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2006/01/10

ドリーム

060110


これは夢?
だれの夢?
 
わたしの夢
あなたの夢
だれかの夢
 
あなたはだれ
 
わたしはあなたがいつ来たのか
まったく思い出せないでいるの
あなたは他の夢から来た人なの
 
 
これは謎?
だれの謎?
 
わたしの謎
あなたの謎
だれかの謎
 
わたしはだれ
 
あなたはわたしがどこに行くか
わかっているなら教えて下さい
わたしは他の夢に行ってしまう
 
 
過去も
現在も
未来も
完了してしまったから
 
 
これは夢?
だれの夢?
 
わたしの夢
あなたの夢
だれかの夢
 
あなたはだれ
 
わたしはあなたがいつ来たのか
まったく思い出せないでいるの
あなたは他の夢から来た人なの
 
 
どうしたらいいのかわからない
 
 
 

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2006/01/08

パーティクル

060108


疲れた映画館と四階建ての百貨店と
本屋が一軒に酒屋も一軒しかない街

中心にある公民館だけは特別巨大で
頭が二つとかあるホルマリン漬けの
見たくもない見世物展覧会をしてた

そんな片田舎のはずれにある要塞で
おまえは得意げにシャーレを鼻先に
突きつけニヤけてやがったんだっけ

それは耳掻き一杯で一度に二万人も
徐々にだが確実に不幸にする粉末の
セラミックがぎっしり詰まっていた

冗談じゃないと飛び退く俺を尻目に
吸ってくたばる前に寿命が来るよと
おまえはうそぶいていたのだけれど


おまえ達の寿命は俺達と違い過ぎて


そんなに生きてどうするうれしいか
ボドカを浴びながら訊いたおまえが

やはり逝く前に寿命が来ていた事を
ようやく三年もして耳にしたところ



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2006/01/06

トランジット

060106


このまま消えるのだろうと悟って
じっとしたまま眠れなくなる夜に

何にもないことすら検知できない
死んでしまうと何もなくなるのに


感覚は高所恐怖症に少し似ている
あれは高い所が怖いのではなくて
飛び降りたくなる自分が怖いのだ


今こそ罪を綺麗に吐き出すために
孤独の海底に向かって堕ちていく

微生物達の真っ白な屍骸に埋もれ
ひとりで凍え続ければ許されるの


どうしたら
どうしたら
どうしたら


すべてが全部許されて
また生き始めていいの



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2005/12/29

トゥゲザネス

051229


俺達はよくよくツイてない親子だった


なぜか知らないが気がついたときには
頭からタンクローリーに突っ込むとこだったしね

本当に頭から突っ込んでいったんだろ
なにせフロントガラスを突き破っていたんだしね

その次に気がついた時は頭が割れてて
ぬんと指が中に入っちまったことは覚えてるしね



心はその時粉砕してしまったらしいし
以来俺はこんな冷酷になったんだから

俺はお前に殺されても別に恨まないし
むしろその方が気楽でいられるだろう



もう面と向かって訊けなくなったけど
あれは小洒落た心中だとでも答えるの



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2005/12/28

コミュニケーション

051228


おまえは俺を殴りつけていた
何度も何度も馬乗りになって
おまえは俺を殴りつけていた


俺はおまえの気持ちが
痛い程良く解り過ぎて

俯せて頭を守ったまま
存分に殴らせておいた

俺もおまえと同じ無力
おまえも俺と同じ悲哀

その確認し合う行為が
こんな形になるほどに


俺達は無念な砂を噛んだんだ



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2005/12/25

ソルジャー

051225


元兵士は語りかけていた
百三十三回戦闘したのだ
 
そして二人の戦友を失い
終戦していたのに戦った
 
 
投降するとき処刑覚悟で
戦闘で何人も殺したから
 
見舞金はすべて戦友達が
安らかに眠る場所に贈り
 
しかしそれが軍国主義と
ひとはあの時と正反対で
 
無自覚に流されてるだけ
こんな情けないひとたち
 
同じ土地に住みたくない
 
売られた喧嘩は死ぬ気で
勝つしかないから喧嘩は
しない方が良いと言って
一年で祖国を離れ往った
 
 
喧嘩しない方法は唯一つ
離れる事ですと彼は言う
 
離れる事しか解はないと
平和という巨妄に震える
 
 
 

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2005/12/23

ピュア

051223


君の曲線は
鈍色なのに痛くない
沈む森の中
月の明かりを示すよに
ゆっくりと無心に刺す
柔らかな針で
 
僕の意識野は
朦朧とする脳薬と
溶ける液体で
腫れた体を伸ばすのに
遠慮せず無邪気に吸う
しなやかな口で
 
仕事の意味とか
生きる意味なんて
問う事すら辛い
僕は綺麗なほど
ただ生きてるのに
ただ死んでるだけ
 
満たされずに飲み続け
染まったまま吸ってるだけ
他に何ができるの
立つのすら辛いのに
 
満たされずに飲み続け
その意味すら忘れたまま
それで僕は生きられる
死んでることを忘れる
 
 
変わっているようで
変わっていないを繰り返す
無意味な毎日
いつも気づかず移動する
感動なく文字を飛ばす
細やかな指で
 
手段という名の
階段の底で
それを重ねるのが
生きるという意味と
わかっているのに
わかってないだけ
 
満たされずに飲み続け
染まったまま吸い続ける
そして何ができるの
君の許しもなしに
 
満たされずに飲み続け
純粋な針を刺して
それで僕は生きられる
忘れたことも忘れる


満たされずに飲み続け
染まったまま

満たされずに飲み続け
それで僕は生きられる
 
満たされずに飲み続け
染まったまま
 
満たされずに飲み続け
それで僕は生きられる
 
 
 

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2005/12/20

キューブ

051220


完全に四角い部屋で
閉じ込められていた
 
そこは俺と部屋だけ
あとはなんにもない
 
不思議と空気は澄み
明るいのだけれども
 
気持ちはその正反対
やる気なんて完全0
 
いつ箱が壊せるのか
頑丈な黒塗りの金属
結局壊す事は叶わず
 
ただ無気力に怯えて
ただ長かった三年半
微かな遠い昔の記憶
 
 
 

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2005/12/19

ブラッド

051219


おまえは窓から見ていたんだ
おれが知らなかったとでも思っていたのか
おまえはおれが知っていることも知っていたくせに
 
おまえはおれを唾棄して
すべてのことを遺棄して
自分の欲望に忠実だった
 
おれはおまえを一生許さないし
おれはおれをも許さないだろう
報いとして当然ながら不幸にも
それがおれたちの受ける深い罰
 
 
 

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2005/12/18

メランコリー

051218


公務員の恐喝に備えあちこち百ドル札を仕込んだり
チェチェンテロで危うく爆死しそうになったり
マフィアの売春窟を覗かせられたり
自動小銃を突きつけられたり
滅茶苦茶すぎるけど
懐かしい国
 
 
 

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2005/12/17

グラデーション

051217


俺のカルシウム原子は
確かにお前を見つけた
 
無数の原子達のうちの
たったの一つだけだが
 
マスク越しの泣虫面を
確かにお前を見たんだ
 
どうやったらおまえに
どうやったら伝えられ
どうやったら気づいて
 
 
 
でももう俺の意識達は
バラバラになりすぎて
 
一体おまえが何なのか
俺は何者であったのか
俺は男なのか女なのか
 
そんなことすら判然と
しなくなっているのだ
 
 
 

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2005/12/16

ホワイトサンド

071216


おまえの残骸を見つけるために
俺はダイビングの免許を取った
 
おまえはまだどこか沈んだまま
ぬくぬくと平和にしてるのかと
 
沖縄で俺の相棒は最悪だったが
水の中はすこぶる視界も良くて
 
砂のひとつぶひとつぶまでをも
確認して廻ることができたのに
 
水深三十メートルの海底に座り
ぼやけて波打つ水面を見ていた
 
 
 

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2005/12/15

ディフュージョン

051215


俺は海に投げ込まれて、叫ぶ間もなく死んでた
アンタにはこんなお話、どうでもいいことだな
 
ゆっくりと沈んでいき、やがて膨らんでいった
眼球は両方とも溶出し、くちびるとか鼻の頭を
ヨコスジフエダイ達が、しきりにつついていた
 
 
投げ込まれた時本当は、何か叫んだか知れない
俺にとってもこんな話、どうでもいいんだけど
 
肉がなくなってしまい、骨々だけになった俺の
それでも意識の半分は、まだしっかりしていた
やがて藻が付いた骨を、サンゴと間違えたのか
ベラ達が齧っていって、俺の一部はベラの喉に
胃に腸に取り込まれて、消化されず排出された
 
更に細かくなった俺は、海水中の炭酸イオンと
反応し易くなっていき、海に溶けきってしまい
海流に乗って世界中を、拡散して廻っていった
 
 
どうしてこうなったか、いまとなってはとても
実にあやふやなことで、始まりとか終わりとか
何を大切にしてたとか、何を愛していたのとか
 
本当にもうどうでもよくなってしまったんだよ
 
 
 

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2005/12/14

パンコール

051214


あの日

確か手段という名の階段を
降りて
降りて
降りて
そして

広くて深い海の底に堕ちた


こんなに深いところなのに
もう真昼みたいに明るくて
明るくて
明るくて
そうして

そこに様々な海色タイルが
一面に敷き詰められていて
滑るように歩き始めたんだ



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