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2007年8月

2007/08/28

月食

070828


見詰めてごらん
欠けていく月を
こぼれてる光を
透き通った黒が
全て浸してく夜
 
いつも晒した黒
黒はいつも月の
月のためだけに
書いて書いてた
全て浸してく夜
 
混ざらず溶ける
確かめるように
こぼれてく鬱を
透き通った黒が
全て浸してく夜
 
お前の熱と汗と
肌と欲と湿りは
すべての色へと
混ざらず溶けて
透き通る黒へと
 
 
とても高い崖で
鏡の淵を覗いて
息を殺している
透き通るお前は
全て浸された黒
 
足首の痕をひく
お前の足首の痕
息を殺してひく
透き通るお前は
闇に浸された黒
 
お前の熱と汗と
肌と欲と湿りは
すべての色へと
輝き欠けていく
透き通る黒へと
透き通る黒へと
 
 
全て現実だった
 
 
ただお前だけに
お前だけにただ
ただ強要させて
ただお前だけに
お前だけにただ
ただ埋没させて
 
 
見詰めてごらん
欠けていく月を
こぼれてる光を
透き通った黒を
 
 
 

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2007/08/26

違う肌

070826


黒い人が仕事をする
空いてる方の手首を
握り締めてる黒い手
 
黒い人が仕事をする
柔らかく赤い生物を
石に変えてく黒い手
 
押し寄せる虚無の中
本当は腕の中の肌が
押し寄せる虚無の中
その骨がお前なのか
 
漂いながら少し前を
反芻して手繰ってる
 
吹き出した透明の中
本当は体の前の肌が
吹き出した透明の中
その赤がお前なのか
 
 
黒い人が仕事をする
そうして閃光の前後
めり込んでる黒い手
 
黒い人が仕事をする
お前がもたらす快を
楽園で虚に変える手
 
吹き出した透明の中
本当は体の前の肌が
吹き出した透明の中
その赤がお前なのか
 
 
強く抱いてるお前は
遠く行ってしまった
 
 
押し寄せる怠惰の中
本当は腕の中の肌が
押し寄せる怠惰の中
その骨がお前なのか
覗き探っている孤独
覗き探っている孤独
 
 
 

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2007/08/18

070818_2


海底に沈めてたい
息ができないよう
 
それですぐそばに
感じていられると
耳打ちしてみたい
 
ぞっとする背の中
ぞっとする背の中
 
 
 
床に踏んでいたい
自覚が滲みるよう
 
それでよりそばに
感じていられると
耳打ちしてみたい
 
沸騰してる脳の芯
沸騰してる脳の芯
 
 
 
描かれてしまう線
描かれてしまう線
それで繋がった欲
 





 
闇に置いてみたい
闇に置いてみたい
 
 
 
欲で塞いでいたい
息ができないよう
 
それでいまそばに
感じていられると
耳打ちしてみたい
 
ずんとくる胸の音
ずんとくる胸の音
 





 
闇に置いてみたい
闇に置いてみたい
 
 
 

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2007/08/15

精霊

070815


言葉は置き去りにする
星間に放り出される鬱
 
感覚に侵入し共存する
拭えない細胞膜の疑念
 
必要よりも少しだけは
強要よりも少しだけは
共感よりも少しだけは
少しだけはましだよと
 
そう言って欲しかった
 
 
 
言葉は置き去りにする
海底に捨て撒かれる鬱
 
感覚に浸透し混合する
払えない蜘蛛糸の悪夢
 
必須よりもっと強くて
実数よりもっと分って
実写よりもっと見えて
もっと真実に近い愛と
 
そう言って欲しかった
 
 
 
言葉は置き去りにする
暗闇に取り残される鬱
海底に捨て撒かれる鬱
星間に放り出される鬱
 
やがては無くなってと
すべては無くなってと
無くなってしまってと
 
そうして絡めとられて
 
少しはましだったよと
逝ってしまうのだろう
 
 
 

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2007/08/14

不可逆

070814


時は戻らないだろう
風も雲も雨も夕陽も
流れ去るものだろう
 
すべてそうであれば
 
 
見下ろす崖に腰掛け
甲に重ねた手のひら
そのまま夜の街へと
墜ちた二人であれば
 
 
時は戻らないだろう
闇も霧も風も彗星も
流れ去るものだろう
 
取り残された記憶は
 
 
口から溢れる水音も
気づかず重ねた鼓動
そのまま夜の街へと
墜ちた二人であれば
 
 
時は戻らないだろう
愛も情も欲も貴女も
流れ去るものだろう
 
すべてそうであれば
 
 
すべてそうであれば
あればよかったのに
 
 
 

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2007/08/13

剥離

070813


晒された貴方の中で
次の朝を妄想してる
私だけいないベッド
 
残された貴方の中で
私だけを呼ぶのなら
すぐに気づいて戻る
それは私の間違いと
 
 
 
見下ろす貴方の床で
次の罰を妄想してる
私だけの蠱惑な秘密
 
繰り返す貴方の音で
最も高く最も低くて
私だけを呼んだなら
それは私の安らぎと
 
 
 
見渡す限りの裾野で
焼け落ちた枯れ穂が
私だけを呼んだなら
孤独から剥がされる
 
 
孤独から剥がされる
 
 
その叫びと涙の滴は
とても素直な鍵の束
手に入れた貴方だけ
扉の前で待っていて
 
 
 
私だけを呼んだなら
晒された貴方の中で
私だけを呼んだなら
孤独から剥がされる
孤独から剥がされる
孤独から剥がされる
 
 
 

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2007/08/11

歪む

070811


お前の中で死ぬ
お前の中で死ぬ
 
死ぬ
 
内に取り込んだ
お前で死ぬ悦び
 
その絶対の所有
 
 
お前の上で開く
お前の上で開く
 
開く
 
内に取り込んだ
お前で開く振動
 
 
 
どんな場所でも
視詰めている眼
浸透している声
 
 
 
お前の下で直ぐ
お前の下で直ぐ
 
直ぐ
 
内に取り込んだ
お前で直ぐ暗闇
 
 
 
お前の肌で熱く
お前の脳で冷め
痛みを与えては
痛みを感じてる
 
 
 
お前の嘘で増す
お前の嘘で増す
 
増す
 
内に取り込んだ
お前で増す欲望
 
 
お前と似ている
 
 
お前の欲で狂い
お前の欲で静む
痛みを与えては
痛みを感じてる
 
 
お前の中で死ぬ
お前の上で開く
お前の下で直ぐ
お前の肌で熱く
お前の脳で冷め
お前の嘘で増す
お前の欲で狂い
お前の欲で静む
 
 
 

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2007/08/10

毒味

070810


手応えない優しい顔
外から見えない欲闇
内で膨張してく危険
そこに墜ちていく雌
 
足首に喰いつく狩罠
拘束された鎖を曳き
平手打ちを望んでる
喉が開く堪らない罰
 
見上げた安全の縁は
遠過ぎて分らない程
ねじ切られた首なら
空隙に埋められた頭
 
気がつくと馬乗りで
貪り味わっている肉
全身に巡らせてる毒
滴った危険過ぎる味
 
全ての行為が欲しい
全て解ってやってる
 
 
止めるには病み過ぎ
与えられた容器から
自ら啜り入れる中毒
持ち去られていく脈
 
見下ろした柔い波は
衣擦れと肌と肉の音
浮遊してる天井から
昂ってく発熱を視る
 
気がつくと馬乗りで
貪り味わっている杭
そして巡らせてる毒
舐めた危険過ぎる味
 
全ての行為が欲しい
解っててやってるの
 
 
気がつくと馬乗りで
貪って味わってる肉
全身に巡らせてる毒
滴った危険過ぎる味
 
 
墜ちて赤い舌を喰う
もぎ取られた頭から
様々な雑音を聞いて
踊る手と足の反射は
迎える準備を報せた
 
 
 

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2007/08/09

存在

070809


戻って来な
心を身体に
括り付けて
 
戻って来な
鼓動の隙に
共生する藻
 
お前が一人
愛する一人
一人だから
 
 
戻って来な
永遠の瞳に
全て話して
 
黒いそれが
引離しても
共振する藻
 
 
お前も独り
鬱する独り
独りだから
 
お前が一人
愛する一人
一人だから
 
 
 

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2007/08/07

070807


ざわめく夜風を
轟く炸裂が消す
 
そうだそうだよ
 
降り注ぐ流星群
 
 
 
いつも傍にある
その足首を握る
 
そうだそうだよ
 
滑り光る流星群
 
 
 
そして部屋では
何て素敵なこと
 
そうだそうだよ
 
流れ散る流星群
 
 
 
お前の頭上の光
金の鎖と汗とは
お前だけに降る
お前の肌に全部
全部お前のもの
 
 
 
 
 
波打った鼓動に
叩く湿音を重ね
 
そうだそうだよ
 
放ち飛ぶ流星群
 
 
 
滑る指や肉厚の
高められる曲線
 
そうだそうだよ
 
零れ出る流星群
 
 
 
お前の頭上の光
金の鎖と汗とは
お前だけに降る
お前の心に全部
絞られる悦びは
絞られたままで
 
 
そうだそうだよ
 
 
お前だけに降る
お前だけに降る
ただお前だけに
お前だけに降る
お前だけに降る
ただお前だけに
 
 
 
ざわめく夜風を
轟く音が消した
 
 
 

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