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2006年11月

2006/11/30

混練装置

061130


お前に死んでく
お前に死んでく
お前が俺だと感じてくためだけに
俺は死に続ける
お前は俺のモノと知るためだけに
死に続ける細胞

お前に泣いてく
お前に泣いてく
お前の痛みすべて洗い流すために
俺は泣き続ける
お前の恐怖を溶かしておくために
泣き続ける赤目

お前に祈ってく
お前に祈ってく
俺は純粋な木片の奇蹟に魂を売る
俺は祈り続ける
俺はお前に似てる彼にも魂を売る
祈り続ける葡萄

俺の視る影すべてに映るお前の髪
俺の嗅ぐ香すべてに居るお前の血
俺の喋る音すべてに聴くお前の声


お前にだけ燃え
その痛みはこれ
凶器を捻り心臓を抉り出していく
俺は嘲り続ける
それをバラバラに引き裂いていく
嘲り続ける滑舌


お前を確認する
お前は跪いてる
お前を踏み潰す
俺は実はお前そのものだと感じる
お前は請い願い
床に両手を突き
清掃してるとき
お前は実は俺そのものだと分かる

お前の触る膚すべてに知る俺の熱
お前の食す骨すべてに解る俺の味
お前の行く先すべてに在る俺の顔


お前に死んでく
お前に殺してく
お前に絡んでく
お前に浸ってく
お前に混練するため
お前に分離するため
お前に拡散するため
お前に透過するため

俺の触る膚すべてに知るお前の熱
俺の食す骨すべてに解るお前の味
俺の行く先すべてに在るお前の顔

俺はお前に死ぬ
お前に死んでく



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2006/11/28

聖人

061128


弾け飛んだ松脂より
不要な何かを見せて
傷つけるのが得意で
詰まらない非情な球

冷たい階段に座って
瞳を閉じてるだけの

ウィンドウに映った
クリスマスに光る街
関心ないまま居る黒

鳴く子猫だとしたら
誰か抱いて帰るのか

心臓は炭、脳は灰だ



飛び散った鉛屑より
不用な感情を見せて
熱くさせてるだけで
自分は冷え切った蝋

白い壁に寄り掛かり
頭を下げてるだけの

ウィンドウに映った
カリスマに疲れた顔
感動ないまま在る黒

鳴く子犬だとしたら
皆は抱えて帰るのか

心臓は石、脳は砂だ
瞳はガラス、血は埃
皮膚は泥、骨は泡だ


心臓は炭、脳は灰だ



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2006/11/26

061126


秘密をどこまで話せる?
混乱の後のタールの海
浸けてても滲みない傷
浸けてれば見えない傷
 
午前4時で止ればいい
混乱の後のタールの空
黒に籠ってるのが好き
貴方もそうなんでしょ
 
まだ一人でいる気なら
貴方の中に沁みていく
家に帰る気ないのなら
いますぐ私の中に来て
 
 
欲望をどこまで現せる?
錯乱の後のシーツの海
透けてても染みない跡
透けてれば撮れない跡
 
一度でも知ってしまう
錯乱の後のシーツの空
私だってこれが欲しい
貴方もこうなんでしょ
 
 
陽の当る側は歩かない
私が居るのは影の部分
貴方もそうなんでしょ
 
 
午前4時で止ればいい
混乱の後のタールの空
黒に籠ってるのが好き
貴方もそうなんでしょ
 
 
陽の当る側には居ない
私が和らぐのは影の所
貴方もそうなんでしょ
 
 
午前4時で止ればいい
混乱の後のタールの海
浸けてても滲みない傷
浸けてれば見えない傷
 
 
 

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2006/11/23

囁き

061123


ふと聞こえる囁き
膚に毛羽立つ刷毛
絡めとられてる脳
信仰もない加害者

もう解放してくれ
夜は越えないから
ただ抱いててくれ
閉じこもったから

だれか救ってくれ


また聞こえる呟き
膚に触れていく指
絞め浸けられた脳
お前だけが被害者

ただ聞こえる吐息
鼻に触れてく匂い
芯が直立してく脳
自由のない被災者

もう解放してくれ
夜は越えないから
ただ抱いててくれ
閉じこもったから

だれか掬ってくれ
巣喰って透くって
だれか救ってくれ


灰の海風に吹かれ
ひとり見詰めてる
焼け落ちてく朽木
内側から崩壊する


もう解放してくれ
夜は越えないから
ただ抱いててくれ
閉じこもったから

だれか許してくれ

もう解放してくれ
夜は越えないから
ただ抱いててくれ
閉じこもったから

だれか許してくれ
赦して緩してくれ
だれか許してくれ
だれか許してくれ



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2006/11/20

天国

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ずんと、くる、ずんと
あまい、そう、あまい
おちて、内に、おちて
におい、そう、におい
すぐに、いく、すぐに

シーツの波に揉まれて
この世の果てを覗いた

シーツの波にも溺れて
この世の果てを覗いた


しんと、しる、しんと
まるい、ただ、まるい
そって、外に、そって
あつい、ただ、あつい
すぐに、また、すぐに

シーツの海に呑まれて
あの世の扉を視ている

シーツの海にも零れて
あの世の扉を視ている


すっと、ねる、すっと
すべる、そう、すべる
すって、中に、すって
しない、おと、しない
からむ、はだ、からむ

シーツの白に熟まれて
部屋の灯りを見ていた

シーツの白にも塗れて
部屋の灯りを見ていた


この世の果てを覗いた
あの世の扉を視ている
部屋の灯りを見ていた



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共生藻

061120


とても遠くに見えてたのに
あんなに長く待ってたのに
こんなに近くにいるあなた
 
来てくれると思ってたから
確かな想いで待ってたから
もう二度と怖がらないから
 
自分を罰してできた傷さえ
いまでは甘く愛しい想い出
 
また堕ちてしまってもいい
 
 
心の中だけの静かな水面に
浮かんでる黒くて小さな炎
それは消えることのない私
 
 
 
いまとなっては簡単なこと
あんなにも夢見ていたこと
ずっと見つめているあなた
 
自分を罰してできた傷さえ
いまでは甘く愛しい想い出
 
また堕ちてしまってもいい
 
 
頭の中だけの青深い湖底に
漂ったままの透明なふたり
それはなくならない共生藻
 
取り返しつかない圧滅でも
永遠の始まりになるのなら
 
また堕ちてしまってもいい
 
 
 

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2006/11/18

どうしても行くのよ

061118


なんてついてないの
満載バスは通過して
待ってるうちに俄雨
電車にも乗り遅れる

どうしても行くのよ
走る走る走る走るよ

欠けたヒールで駆け
いつの間に爪も欠け
化粧ぐだぐだのまま
なんてついてないの


なんてついてないの
タクシーは回送だけ
手挙げたら攣る背中
同時にぶちまけた鞄

どうしても行くのよ
走る走る走る走るよ

血だらけの膝で走り
破けているスカート
髪も振り乱したまま
なんてついてないの


医者は薬を出すだけ
占い師は気休めだけ
同僚は瞳の同情だけ
必要なのは貴方だけ

どうしても行くのよ
走る走る走る走るよ
どうしても行くのよ



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2006/11/15

静かな空

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言葉は要らないから
灯りの中に座ってて
言葉なんて要らない
ただそこに座ってて
 
この時空のすべてが
ただ貴女で占められ
他には何も要らない
この時空のすべてに
 
ただ周りで纏うだけ
そんな時間が欲しい
貴女のそんな雰囲気
そんな空間が欲しい
 
手からこぼれたもの
いってしまったもの
幾つもの空き部屋は
おたがい沈めたまま
 
ただ周りに纏うだけ
貴女の雰囲気がいい
柔らかな灯りに居て
この脈拍のすべてに
 
理由は要らないから
裸のままで眠ってて
理由なんて要らない
ただここに眠ってて
 
ただ周りに纏うだけ
貴女の雰囲気がいい
柔らかな灯りに居て
この脈拍のすべてに
 
 
 

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2006/11/13

湿度

061113


楽にして味わって
時に猟犬の甘い舌
白い胸にも零して
 
お座りで待ってる
 
あなたの温膚の間
 
 
私は愛しい物かも
私は凄く新鮮かも
この熱っぽい結露
 
その瞬間待ってる
 
あなたの両腕の間
 
 
すべての秘密から
すべての苦痛まで
この熱っぽい結露
 
目隠しで待ってる
 
あなたの両指の間
 
 
楽にして味わって
時に小犬の甘い舌
白い咽にも零して
 
お座りで待ってる
 
あなたの鼓動の間
 
 
 

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2006/11/12

別れ

061112


あなたへの供物
信じて欲しいの
それが私の願い

私は死んだまま
波が凍ったから


忘れようとする
求めようとする
その狂った願い

沫を纏ったまま
風が止んだから



こんなのは嫌だ
いつも見ていて
何か喋っていて
いつも話してて
終りない言葉を



あなたは忘れた
間違いなくそう
此処にいるのに

もう永遠にそう
あの気配もない


ずっと忘れてる
ずっと朽ちてる
此処にいるのに

もう永遠にそう
石で蓋したから


こんなのは嫌だ
いつも許してて
何か緩めていて
いつも解ってて
治らない暗闇を


こんなのは嫌だ
いつも見ていて
何か喋っていて
いつも話してて
終らない言葉を



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2006/11/11

正体

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貴方への崇拝を誓いながら
わたしは膝から崩れ落ちる
貴方が用意した束縛と拷問
わたしは皮膚を脱ぎ捨てる

できるだけ真実を注視して
ただ呆れて冷たく罵倒して
わたしは心臓から乞い願う
わたしだけ従える重い戒め

わたしに浸入して溶解して
わたしに浸透して理解して
舌や脳や胸に乗る音の正体
貴方だけ晒してる黒い正体


貴方との共存を誓いながら
わたしは真上から注がれる
貴方が蓄積した福音と血脈
わたしは奥まで開けて待つ

できるだけ正体を冷視して
本当に呆れたまま踏付けて
わたしは心臓から乞い願う
わたしだけ従える甘い縛め

わたしは受容して清掃して
わたしは吸収して理解して
舌や脳や胸に乗る音の正体
貴方だけ晒してる黒い正体


わたしに浸入して溶解して
わたしに浸透して理解して
舌や脳や胸に乗る音の正体
貴方だけ晒してる黒い正体



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林檎

061111


連れ去って下さい
私はあなたのモノ
私は黒い黒い罪人
 
もう終りにしたい
こんな幻想の世界
禁じられている事
 
行く許しを下さい
 
 
私は黒い黒い罪人
主が持つ情け容赦
主が待つ脳の懇願
 
私は此処に居ても
何も持たないまま
正しく狂っていく
 
行く許しを下さい
 
 
また眠れないまま
あなたを懇願する
連れ去って下さい
私はあなたのモノ
 
私は黒い黒い罪人
主が持つ情け容赦
主が待つ脳の懇願
 
私は此処に居ても
何も持たないまま
全て欲しがってる
 
私はそういう罪人
 
 
もう終りにしたい
こんな幻想の世界
禁じられている事
 
逝く赦しを下さい
 
 
 

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2006/11/09

腕の中の横臥

061109


生きている感覚
転がった硝子玉
道が変るのも生
 
何時か滅んでも
意識は掬われる
想いは濾される
 
 
波の集点に向う
お前の息の反復
お前の胸の鼓動
 
何時か堕ちても
空隙は埋められ
想いは混ぜられ
 
 
黒い波面の観察
お前の息の周期
お前の胸の振幅
 
 
 

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2006/11/07

溶暗

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来なかったあなたを
私は濡れて待ってた

行くしかなかった人
すべて切り捨てた人

私は知ってたけれど
私は濡れて待ってた


あなたの腕で笑えた
あなたは頭を撫でた

いまだ巡るこの想い
灰の街に埋める日々

この命を奪っていい
この無駄なすべてを


また夢を見てしまう
あなたが現れる霧雨

いまは何時になるの
ここは何処にあるの

そこでいつも覚める
でもまた見てしまう


行くしかなかった人
すべて切り捨てた人

私は知ってるけれど
私は濡れて待ってる



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ささやかな供物

061107


お前の膚の舌触り
お前の声の荒具合
抗えない息の絡み
 
いつか浸透したい
狂った人戯の理由
存在と純粋の意味
 
脳に湧く黒い透明
 
 
欲しがる痛みなら
脳内の変換はまだ
俺と共に俺に従え
 
脳に湧く黒い透明
 
 
その扉を怖がるな
その味を指でやる
俺と共に俺に居ろ
 
欲しがる痛みなら
脳内の変換はまだ
俺と共に俺に従え
 
脳に湧く黒い透明
 
 
共死と共生の浸愛
狂った感覚の理由
脳に湧く黒い透明
 
 
 

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2006/11/05

あなたはわかってる

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あなたはわかってる

あなたはわかってる
まだ感じられること
あなたが掠めた日々
あの愛は全て此処に

あなたが内に堕ちて
堕ちて堕ちて堕ちて
愛が浸透してたなら
まだ私を感じられる

もうあれはたくさん
もうあなたの底だけ
私が鬱になっただけ

もうあれはたくさん
もうあなたの色だけ
私が幸せでないだけ


あなたはわかってる
まだ感じられること
あなたが掠めた光彩
あの理由は今何処に

私があなたに堕ちて
堕ちて堕ちて堕ちて
隙に浸透してたなら
また滴を感じられる

もうあれはたくさん
もうあなたの底だけ
私が鬱になっただけ

もうあれはたくさん
もうあなたの色だけ
私が幸せでないだけ

あなたはわかってる



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沈めたいすべて

061105


夜の底の部屋に
漂った白い波紋
緩やかな軋みに
さらに沈み込む
 
孤独な二人なら
一つになるまで
浸かればいいよ
誘いあえばいい
 
唇や温い胸の中
夢見たままの先
その先に行こう
この世の果てに
 
 
確かなものとか
自信を願うより
浸かればいいよ
感染すればいい
 
咽や温い膚の中
湿らせた息の先
その先に行こう
この世の果てで
 
お前と終るまで
 
 
 

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2006/11/04

黒い指

061104


焦らす指先にも
絡んでた息使い
応えてくたびに

何かが変化して
心に育っていく
並の人生の憂鬱

抜け出すために

切り落としてく
歩行不能な爪先
毒果汁は無味で
爽やかな柑橘香



焦がす胸のなか
止められてた脈
白くなるたびに

絶対的な何かの
光が降り注いだ
黒の人生の憂鬱


圧倒的な何かの
支配的な誰かの
茫漠的な夜中の
黒の人生の憂鬱



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2006/11/03

白い愛

061103


黒革を引かれ
喰い込んでく
黒髪を掴まれ
咽が開いてく
 
映し晒した鏡
 
別の場所では
頻繁な充填音
他の場所では
間欠の手打音
 
堕ちた生き物
 
 
視られてる瞳
視ている冷眼
どちらも浮ぶ
涙と違う粘液
 
反らさない顔
 
やがて巻かれ
喰い込んでく
白頸を圧され
咽が閉じてく
 
堕ちた生き物
 
 
映し漂う夜窓
地上の星くず
晒してる観察
飛翔する白光
 
真っ直ぐな軸
 
当てがわれる
赤黒い脈高温
視ながら行う
呆れた湿滴音
 
堕ちた生き物
 
 
終りのない音
終りのない息
終りのない膚
終りのない液
 
浸透する同化
 
やがて踏まれ
切迫していく
白膚を圧され
心が底に居る
 
堕ちた生き物
 
 
 

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2006/11/01

黒い愛

061101


おまえを虐めると来る
このゾクゾクする感じ
鎮めようとするたびに
鳴らすおまえの白い膚

視る罵る捻る舐る触る
そんなことだけで滴る
俺にだけ露にしてる傷

どうにもできない誘惑
されてるおまえの恍惚

浸透していく透明な黒



おまえを貶めると来る
このズムズムする感じ
静めようとするたびに
挿れるおまえの白い咽

塞ぐ叩く嗅ぐ聴く掃く
そんなことの後に抱く
俺にだけ露にしてる顔

どれにも抗えない本能
されてるおまえの本性

浸食していく漆黒の闇



おまえを辱めると来る
このジンジンする感じ
沈めようとするたびに
絞めるおまえの白い首

蔑む摘む包む掴む咬む
そんなことですら蝕む
俺にだけ露にしてる心

押さえておけない衝動
されてるおまえの誘惑

浸潤していく濃青の水



おまえを虐めつつ狂う
ゾクぞくゾクぞくゾク

おまえを貶めつつ狂う
ズムずむズムずむズム

おまえを辱めつつ狂う
ジンじんジンじんジン



俺にだけ露にした本性
おまえにだけ見せる姿
そうして狂ってしまえ
脳髄の中心に湧く透明



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