« 2006年9月 | トップページ | 2006年11月 »

2006年10月

2006/10/31

信頼

061031


お前の夢はこの
イミテーション
俺の生命もあの
イミテーション
 
無くした指輪も
霞んでた星屑も
溜めてた歌声も
滲んでた夜景も
 
 
お前自体がまだ
イミテーション
俺の身体もただ
イミテーション
 
汗ばんだ皮膚も
濡れてた耳朶も
溶けてた呼吸も
滴けてた黒毛も
 
 
お前も焦るそう
イミテーション
俺の鬱すらもう
イミテーション
 
見分けつかない
イミテーション
見分けつけない
イミテーション
 
それがかえって
安心の静かな底
 
 
 

続きを読む "信頼"

|

2006/10/29

感染経路

061029


温度や圧力が必要なら
いつもお前と存在する
お前が寂しく居るなら
浸透のため最善を尽す
お前が涙を流すのなら
善悪には無関係に同化
 
夜の静寂に呼ぶのなら
いつもお前に存在する
心が乾燥で裂けるなら
お前の意識に降り注ぐ
 
それが感染という約束
それが感染という約束
それが感染という約束
 
 
世界が濃青に凍り付く
甘く厳しく苦しくする
漆黒の夜を飛んでた白
痛く強く禍々しくする
透明に沈殿した泡つぶ
抱き締めて窒息させる
 
夜明けのぎりぎりまで
どれもお前に存在する
心が色彩で溶けるなら
お前の限界を塗り潰す
 
それが感染という約束
それが感染という約束
それが感染という約束
 
 
それでお前を愛してる
同時に消耗してくなら
それでお前を愛してる
先には消滅しないこと
 
それが感染という約束
浸透から同化のための
善悪には無関心な雑音
 
 
夜の静寂に呼ぶのなら
いつもお前に存在する
心が乾燥で裂けるなら
お前の意識に降り注ぐ
 
それが感染という約束
それが感染という約束
それが感染という約束
 
 
 

続きを読む "感染経路"

|

2006/10/28

浮遊生物

061028


絡んでる肉体から
ふいに抜出してる
熱と湿気を視てる
情熱すら観察する

絡んできた指から
頸へと伝えられる
圧と生気に触れる
被虐から妄想する

弄ばないで下さい
頭に響いてくる声
こうしているうち
私は殺してしまう


蠢き溶け混ざって
その部屋の中でも
寂しさで痛くなる


絡んでる性癖から
どちらかが現れる
脳に痺れを感じる
痛みすら変換する

絡んできた紐から
背後へと搾られる
髪と中心に加わる
方向から疾走する

弄ばないで下さい
頭に響いてくる声
こうしているうち
私は殺してしまう

そして永遠に私は
私は愛してしまう


蠢き溶け混ざって
その永遠の中でも
寂しさで痛くなる



続きを読む "浮遊生物"

|

2006/10/27

補色

061027


白い首に絞め着けた
灰色のタイを視てる
青い湯船に沈めてた
クリーム色を視てる
雨に濡れた街にいた
茶色の子猫を視てる
 
その機体は戻らない
全て堕ちてしまった
 
 
溶けてしまった黒犬
透明色の首輪を聴く
居なくなってた白象
浅葱色の雑音を聴く
霧に煙った街にいた
艶色のカラスを聴く
 
船は一艘も戻らない
全て沈んでいるから
 
 
硬い輪をつけた筈の
指をなぞる男がいる
存在を否定した筈の
乗り溶ける女がいる
熱に湿った衣の波紋
お互いの空隙にいる
 
心は一人も戻らない
全て逝ってしまった
 
 
 

続きを読む "補色"

|

2006/10/25

061025


貴方の心のままだわ
迷宮の街マラケシュ
 
夕陽が映えた土壁と
人影のコントラスト
 
私はまだ彷徨ってる
 
 
尻尾を立てた案内人
青い眼をした黒い猫
 
路地からまた路地へ
導かれるまま生きて
 
何者かに流されてる
 
 
次の角を曲がったわ
何かの影に溶けた猫
 
何の影か解らぬまま
街全て溶けてく漆黒
 
私は一人残されてる
 
 
彷徨ったまま流され
やがて夜に呑まれる
 
 
 

続きを読む "夜"

|

2006/10/23

観察者

061023_2


昔の罪や明日の嘘
よけいな欺瞞なら
すべてを打ち捨て
ここに立ちなさい
 
お前そのものだけ
純粋にお前だけを
静かに視たあとで
 
鼓動も止めるほど
後ろから抱き絞め
 
拘束の安心に落す
 
そしてお前は全て
全て俺に視られる
 
 
ブーツやスカート
よけいな皮膚なら
すべてを脱ぎ捨て
ここに立ちなさい
 
お前そのものだけ
純粋にお前だけを
ただ確認してから
 
外したくちびるを
傷の背すじに下げ
 
昇華の安心に漂う
 
そしてお前は全て
全て俺に視られる
 
 
 

続きを読む "観察者"

|

2006/10/21

理由

061021_1


冷たい瞳を向けてて
時が凍っていく呼吸
この首に巻かれた革
彼の言葉だけが理由

誓わされていく約束
彼を知っているはず
誓わされていく服従
混沌から規則のはず


砂の海を歩かされる
全て背負っている罪
砂の波に洗わされる
削り取られてく罪悪

無くなっていく爪先
それは逃避不能の鎖
無くなっていく膝下
それは歩行不能の楔


永遠に広がった砂丘
無限に歩き続けてる
永遠に繰り返す贖罪
無限に許し請うため

冷たい瞳を向けてて
時が凍っていく呼吸
この首に巻かれた革
彼の言葉だけが理由



続きを読む "理由"

|

誤解

061021


貴方は飛んでく
他の空に向って
胸が痛んでるの
何も伝えられず
見上げてるだけ

背中を見た錯覚
違った街にいて
胸が痛んでるの
何も伝えられず
見守ってるだけ


許したとしたら
許してくれたの
認めたとしたら
認めてくれたの


そのままでいて
縛っておくのは
それは貴方には
とても苦痛だと
気づいてたから

今のままでいて
放っておくのは
それで二人には
夢見た事を夢で
語り合えるなら


許したとしたら
許してくれたの
認めたとしたら
認めてくれたの


髪に触れた錯覚
吐息がした錯覚
指が触れた錯覚
匂いがした錯覚



続きを読む "誤解"

|

2006/10/19

逃亡者

061019


目覚めても悪い夢の中
あなたの場合を教えて
どうして生きていいの
どうやって生きてるの
 
濁った水に沈んでいく
見上げる空色の泡つぶ
何を知ってると言うの
何から自由だというの
 
正しいやり方を見せて
 
 
水から顔を出す逃亡者
知っている気持ち悪さ
石壁に隠れてく逃亡者
捕まえられない泡つぶ
 
すべてが逃亡者だから
 
 
目覚めても束縛の黒罠
みんなすべてが逃亡者
お互いに掛け合う黒縄
償いの自己満足と保身
 
濁った水に沈んでいく
見上げる空色の泡つぶ
何を知ってると言うの
何から自由だというの
 
正しいやり方を見せて
 
 
水から顔を出す自尊心
知っている気持ち悪さ
石壁に隠れてく自己愛
捕まえられない泡つぶ
 
すべてが逃亡者だから
 
 
捕まえられない泡つぶ
 
 
 

続きを読む "逃亡者"

|

2006/10/17

ミス ユー ブルー

061017_1


ミスユー碧く

本当は今でも
恋しいオマエ
瞳を閉じれば
眩しいオマエ

抱き締めても
何も掴めない
手櫛は虚空を
擦抜けただけ

アイミスユー
ミスユー碧く
沈んでるだけ



ミスユー碧く

本当に今でも
寂しいオマエ
オレの中だけ
微笑むオマエ

ひとり寝ても
何も抱けない
右腕は明りに
浮かんだだけ

アイミスユー
ミスユー碧く
沈んでくだけ



この碧い世界
気配だけなの
この何処かで
また逢えるの



ミスユー碧く

本当に今でも
女々しいオレ
膝に座るなら
嗤っておくれ

アイミスユー
ミスユー碧く
沈んでるだけ



続きを読む "ミス ユー ブルー"

|

緑の崇拝

061017


秘めたままの緑炎の崇拝
全て小さな嘘で出来た塊
なのにまた繰り返してる

あなたが正しいと信じて
あなたに支配されてても
あなたは理由も言わずに
男のまま立ち去って行く

嬉々として隷従する私が
たくさん手に入れるほど
あなたは私を傷つけてく
たくさん手に入れるほど


底にしまった緑炎の懇願
全て小さな傷で出来た線
だからまた繰り返してる

あれは望んだ物じゃない
あれは欲しい物じゃない
痛々しい変換の裏切りと
温々しく包もうとする心

嬉々として隷従する私が
たくさん手に入れるほど
あなたは私を傷つけてく
たくさん手に入れるほど

あなたは私を傷つけてく



続きを読む "緑の崇拝"

|

2006/10/15

悪夢

061015


言葉の中指に失う自意識
見たことも聞いたことも
触れたこともない被虐詩
読んだら眠れない黒い羊
無数に増える内にやがて
 
黒い河を渡ってく白い象
黒い河を渡ってく白い象
 
 
白い象は白い鼻をもたげ
秘密の地図に印を付けた
秘宝は隠したままの悲報
直感は傷跡を指していた
何重もの箱を開けていく
 
取り出された被害者の頭
取り出された被害者の頭
 
 
言葉の薬指を含む自己愛
視たことも聴いたことも
触れたこともない加虐詩
読んだら眠れない蒼い狼
無数に増える内にやがて
 
蒼い底を漂ってる白い骨
蒼い底を漂ってる白い骨
 
 
白い骨は白い指をもたげ
秘密の手紙に線を引いた
悲報は隠したままの訃報
直感は傷跡を抉っていた
何重もの封を開けていく
 
引き出された加害者の顔
引き出された加害者の顔
 
 
読んだら眠れない黒い羊
黒い河を渡ってく白い象
 
 
 

続きを読む "悪夢"

|

2006/10/14

空虚な強欲

061014


欲しい物を手に入れても
心からは流出してく感覚
躁でも鬱でも空っぽな頭
この喪失感は一体何なの
何故それだけ残ってるの

いくつものその場しのぎ
それでも生きていこうと
ときどきの満足や達成感
もっとともっともっとと
それが生きることならば


時間に追われるふりして
ゆっくりと蝕まれる浪費
躁でも鬱でも空っぽな頭
また欠落感を掃き拾うの
ただ埋める何かを捜すの

いくつものその場しのぎ
そうして生きていこうと
ときどきの満足や達成感
いつでもいつもいつでも
それが生きることならば


いつでもいつもいつでも
もっとともっともっとと
それが生きることならば



続きを読む "空虚な強欲"

|

2006/10/13

青い画布

061013


晴れも曇りも雨でも
空を眺めているのが
とっても好きなひと
 
その空を見てたくて
色彩で共感したくて
 
 
励まし続けることが
自分を勇気づけると
そう気づかせたひと
 
ただ手を重ねたくて
その頭を撫でたくて
 
 
そのひとのためには
他になにも出来ない
すべてを解って許す
 
暗雲の圧迫から覗く
幾筋もの光束として
そこまで届くように
 
ただ見守り続けてる
 
 
 

続きを読む "青い画布"

|

2006/10/11

黒い螺旋

061011


俺は餓鬼過ぎた
しかも狡過ぎた
それを許してた
お前への仕打ち
 
後悔しても遅い
 
 
生れ変わった俺
お前がくれた姿
もう見せられぬ
消えた瞳と鼓動
 
闇に溶けたお前
 
 
俺は今でも問い
問い続けている
何故なんだ何故
 
俺は忘れられず
問い続けている
何故なんだ何故
 
黒い螺旋の悪夢
だれか答てくれ
答てくれないか
 
 
 
俺が消えたあと
いつかあそこで
二人は再会して
お前に訊けるか
 
尋ねられるのか
 
 
お前が変えた俺
見てくれるなら
また見せてくれ
大きな瞳と笑顔
 
黒に溶ける二人
 
 
俺は今でも問い
問い続けている
何故なんだ何故
 
俺は責め続けて
問い続けている
何故なんだ何故
 
黒い螺旋の悪夢
だれ一人いない
だれ一人答ない
 
 
俺は忘れられず
問い続けている
何故なんだ何故
 
黒い螺旋の悪夢
だれか答てくれ
答てくれないか
 
 
 

続きを読む "黒い螺旋"

|

2006/10/09

答え

061009


時の答えが
そんな乾いた金属音
袋に一杯の
それがすべての結末
あなた一体
本当に満足だった?

寂しさごと
残ったままの私達は
皺だらけの
手を包んでいるだけ


誰も救えず
いつも居ることだけ


海風が吹き
白く立ち枯れていて
みんな居る
裏山でじっとしてて
あなた全体
本当に満足だった?

寂しさごと
残ったままの私達は
皺だらけの
手を握っているだけ

寂しさごと
残ったままの私達は
皺だらけの
手を包んでいるだけ



続きを読む "答え"

|

才女

061009jpg


透明な檻に閉じ篭められ
そのまま諦めてるおまえ
檻はいつもおまえを囲む
抜け出せる確かな方法は
 
透明な澱に封じ込められ
まったく飽きてるおまえ
澱はいつもおまえに纏う
振り払える唯一の方法は
 
這いつくばり沈み込んで
命すら捧げてしまうこと
生きながら死んでる才女
 
膝をついて床にひれ伏せ
すべてを捧げてしまいな
生きながら死んでる女よ
 
 
透明な折で包み込められ
息すらしたくないおまえ
折はいつもおまえを畳む
突き破れる唯一の方法は
 
這いつくばり沈み込んで
罪すら捧げてしまうこと
生きながら死んでる才女
 
両膝ついて床に頭を擦り
すべてを捧げてしまいな
生きながら死んでる女よ
 
 
透明な黒に呑み込められ
冷たくなってたいおまえ
黒はどれもおまえに合う
浸侵される唯一の方法は
 
這いつくばり沈み込んで
液すら捧げてしまうこと
生きながら死んでる才女
 
両膝ついて首に革をつけ
すべてを捧げてしまいな
生きながら死んでる女よ
 
 
 

続きを読む "才女"

|

2006/10/08

償い

061008


あの誓いをたてなさい
お前の信じている彼の
いますぐに誓いなさい

誓いながら歩きなさい
鎖に絡まり歩きなさい

干上がってる灼熱の海


あの浜辺を歩きなさい
お前の記憶を全て広げ
いますぐに歩きなさい

歩きながら埋れなさい
歩き続けて埋れなさい

干上がっている血と涙


熱い海砂に埋れなさい
お前の罪の全てを晒し
いますぐに埋れなさい


お前の罪は全て吸われ
お前の罰は全て報われ
お前の骨は全て片割れ
お前は跡形もなくなる


あの誓いをたてなさい
お前の信じている彼の
いますぐに誓いなさい

誓いながら歩きなさい
鎖に絡まり歩きなさい

干上がってる灼熱の海



続きを読む "償い"

|

2006/10/07

熟れた果実

061007


じゅくじゅく言う脳
あなたに視られてる
じゅくじゅくじゅく
それはとろけてく音

愛してると言うなら
このまま絞めていて
その手から伝わる熱


掻き混ぜられてる脳
心の指が順になぶり
じゅくじゅくじゅく
針に固まっていく芯

脳から背骨を通って
全て繋がってる感覚
その行き来する電流

愛してると言うなら
このまま絞めていて
その眼から伝わる色


とろりとした中心に
小さな泡粒が群れて
じゅくじゅくじゅく
撫でまわす中指の腹

愛してると言うなら
このまま絞めていて
その舌から伝わる滴



続きを読む "熟れた果実"

|

2006/10/05

絶対零度

061005


圧倒的な彼は星を撒いて
届かない望みを与えてる
 
普通であることへの慰め
 
 
絶対的な彼は月を光らせ
苦みと痛みを溶かしてる
 
必要でないことへの労り
 
 
じわじわと理解させる罠
決して確認できない説明
圧倒的で絶対的で卑怯者
 
 
 
途轍もなく遠いところへ
行かなきゃいけないこと
 
皆同じだからという説得
 
 
途方もなく離ればなれで
本当は孤立していること
 
真実を透かし強いる納得
 
 
じくじくと膿んでいく脳
決して確認できない存在
圧倒的で絶対的で冷酷者
 
 
 

続きを読む "絶対零度"

|

2006/10/03

慈悲

061003


甘ったるい月夜に
森を抜けたところ
ぞっとする底なし
よどんだままの湖

訪れているその時
右足を浸していく
私はもう眠れない
私は彼を望んでる

引きずられる予感
左足も差し出して
私は彼のものです
私は無期限な有罪

私は幻想の末端で
私はひとり狂って
私は彼のものです
私は無期限な有罪

まとわりつく透明
這い上がってくる
私はもう眠れない
私は彼を望んでる

腰まで呑み込まれ
両足首を掴まれる
埋もれていく身体
それは私の晩餐会

私は幻想の末端で
私はひとり狂って
私はもう眠れない
私は無期限な有罪

やがて引き込まれ
底なしの底に滑る
その途中で窒息し
透明に満ちてく肺

つけたままの灯り
それを見上げてる
透明を通した夜空
私は彼のものです

散らかってる白骨
散らかしたのは私
私はもう眠れない
私は無期限な有罪



続きを読む "慈悲"

|

2006/10/01

狂脳たち

061001


あなたの呼吸を感じ
あなたの温度を貰い
あなたの透明を飲む
あなたの受容体の私
 
いつの日か知りたい
心地良い軽蔑の意味
 
脳内を刺激する脳外
 
 
あなたの音声を聞き
あなたの打撃を変え
あなたの固体を収め
あなたの需要体の私
 
いつの日か知りたい
心地良い叱責の意味
 
脳内を刺激する脳外
 
 
何の痛みもなければ
それは唯の人の行為
導くあなたがいれば
いつ始めてもいい私
 
悲しみも怖れもない
その意味をあなたに
 
脳内を刺激する脳外
 
 
何の痛みもなければ
それは唯の人の行為
導くあなたがいれば
いつ始めてもいい私
 
あなたが感じる狂気
わたしが感じる狂気
 
それは身震いする愛
 
 
 

続きを読む "狂脳たち"

|

« 2006年9月 | トップページ | 2006年11月 »