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2006/04/08

infinite sequence

060408infinite_sequence


白い世界の真ん中で俺は
雪塗れの変成岩でできた
垂直な階段を登っていた

単調な動作が落ち着きを
徐々に取り戻させていく
ふと見上げる俺の真上で

右足がすっと白の中へと
溶け込んでいくのを見た
ひとつどきんとする心臓


俺は慌てて追い付こうと
懸命になって登っていた
やがて眼前に左足が見え

屈めた右足から上半身が
乳白の靄からふと現れた
どこかで見た格好の男だ

そのときこちらを向いた
雪の凍り付いた髭男の眼
俺と眼を合わせたとたん


嗚呼と口を開け白い息と
聞こえない耳が聞いた声
この髭男は俺じゃないか

その時男は更に俺の下に
視線を移し驚愕の表情へ
つられるように振り返り

真下でこちらを見上げる
俺を口を開けて見ていた
そして更に下へと連なる

無限の俺のいや俺たちの
よじ登る蟻のような姿が
全て見えていたのだった



インフィニット シークェンス
無限数列

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