グリタァ

気がつくと真っ暗闇だった。いやそれは本当に暗いのか
眼が塞がれてるだけなのか、初めは解らなかったけれど
どうしてこうなったのかは、もはやどうでもいいことだ
いまさらこの宙の果てまで、誰も手を差し伸べられない
そのとき俺の頭上に落ちる、赤く渦巻くひとつ眼を見た
天空はそいつの顔で一杯だ。圧倒的に巨大な縞の大天体
遮蔽ガラスの内側で毒突く。この太陽のなり損ないめが
俺は火山と氷の衛星にいた
小さな重力と遠くの太陽が、何かの感覚を狂わせていき
俺はひとつ眼に魅入られて、帰りの酸素まで消費してた
なぜ気づかなかったのかは、もはやどうでもいいことだ
いまさらこの宙の果てまで、酸素を運ぶことはできまい
暑さと酸欠から来る朦朧で、珊瑚の海を思い出していた
あのとき俺は底なしの海を、遥か頭上にきらめく海面を
その間で遊ぶ海豚の群れを、眺めていただけだったのに
俺は深淵な青に魅入られて、帰りの酸素を消費していた
透明な青い世界の真ん中で、ぞっとしたまま漂っている
気がつくと真っ暗闇だった。いやそれは本当に暗いのか
眼が塞がれてるだけなのか、あるいはもう死んでるのか
早く誰か教えてくれないか?
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