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2005/12/21

リインカーネイション

051221


満月の夜に街の人々が全員いなくなった
満月だからってこんなこと初めてだった
 
 
 
僕はとても不安になって皆を探している
 
 
 
街の周りは巨大な針葉樹に囲まれていて
ここから出るには森の小道しかなかった
 
森の奥では風もないのに笹がさわさわと
噂している声が皆がいるように聞こえる
 
森を抜けると緑の湖が広がっていたけど
水面はとろんとして魚が住む様子もない
 
僕だってここまでは散歩で来ていたのに
街の人々は一体どこへ行ってしまったの
 
 
 
湖の縁を廻るとさらに先に続く道があり
大勢の足跡を見つけてすごくほっとした
 
足跡に合わせてゆらゆらと歩いていくと
たくさんの家々が見えてきたのだけれど
 
その村の入口で足跡は消えてしまってた
街の人々は一体どこへ行ってしまったの
 
 
 
家々は小さめの可愛らしいコテージ風で
手入れの行き届いた庭と小さな畑がある
 
耳を澄ますと畑のかぼちゃや大根の葉が
何か楽しげに会話をしてるようなのだが
 
どの家を覗いてみても呼んでみても誰も
街の人々は一体どこへ行ってしまったの
 
 
 
僕はとても不安になって皆を探している
 
 
 
満月に照らされた小さな可愛い村にすら
人と呼べるものは誰もなかったのだから
 
 
 

reincarnation
輪廻

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